読者投稿第19回観客を一瞬で虜にしてしまう「美山マジック」劇団美山
投稿者:恭子さん
劇団美山との出会い
初めて劇団美山を観劇したのは、まだ大衆演劇を見初めて間もない2013年のことでした。
もともと劇団四季、宝塚歌劇、松竹新喜劇などの舞台を観なれていたので
「ふうん、大衆演劇って学芸会に毛が生えたようなものか」
というのが、初めて大衆演劇に対して持った感想でした。
その後、また大衆演劇を観る機会があり、そこで衝撃が走りました。
「違う、芝居も舞踊も違う、何、これ?めっちゃ、おもろいし、楽しいやん!」
初めて劇団美山を観た時の衝撃は半端なかったのです。
そこから、魔法にかけられた私は、関西はもとより、あらゆるところにまで、追っかけ遠征をしてまで観劇する様になりました。
芝居のうまさ、群舞の華やかさ、また、当時、17歳になったばかりの里美こうた座長の女形芝居に一瞬で虜になってしまったのです。
「梅川忠兵衛」を初めて観たのが奈良の弁天座。
花道から登場した梅川を見た瞬間の衝撃が今でも忘れられません。
あの一瞬で魔法にかかり、こうた座長の女形のお芝居の虜になってしまうのです。
雨降って地固まる
2018年の12月、大阪新歌舞伎座にて行われた「里美たかし座長20周年記念公演」の頃には超人気劇団になっていたと思います。
2013年から見始めて20周年記念公演までの5年の間に、数えきれないほどの地方遠征をし、誕生日公演、座長大会なども経験してきました。
とにかく、「また観たい!」と思わせられるのが劇団美山の舞台。
ただ20周年記念公演の後、なぜか、美山の舞台にトキメキを感じにくくなっていました。
そこからしばらくしてからの「あの事件」
あの日、あの場所に、私もいてましたので、ショックは半端なかったです。
しかし、劇団美山はそういう事件を乗り越えて再構築を果たし、以前よりもっと素晴らしい舞台を魅せてくれるようになったのではないでしょうか。
俺のたからもの
先日、梅田呉服座にて里美こうた座長の誕生日及び座長襲名公演が開催され「中村仲蔵」という、歌舞伎にもある有名なお芝居が上演されました。
3時間近いお芝居だったのですが、劇団員がそれぞれに、座長への想い、感謝などを述べる場面があり、その想いがセリフとなって私たちにまで届き、胸が熱くなり、ジーンとさせられました。
そして、芝居後半、たかし総座長が演じる若太夫傳九郎が心の内を話す場面に、今までの出来事とセリフが重なり、また、あの日のことが思い出され、涙が止まらなくなりました。
あいつは戻ってきてくれた。
俺はあいつがかわいくて仕方がない。
あいつは俺の宝ものだ。
これからも進化し続ける劇団美山
里美たかし総座長がブラック
里美こうた座長がホワイト
里美京馬副座長がイエロー
里美祐樹後見がグリーン
里美花太郎花形がレッド
中村美嘉さんがパープル
中村葵さんがブルー
それぞれにカラーを割り当てられ、個性を活かし、舞台、舞踊もとことんまで満足させてくれる。
劇団美山を応援し続けて、来年でまる10年。
これからもどんどん魔法をかけ続けてください! 応援しています!!
恭子さま
劇団美山の魅力満載の寄稿、誠にありがとうございます!
初観劇の衝撃から現在まで、劇団を追っかけて全国へ…大衆演劇は観る側の我々をも旅人にさせますよね^^。
思えば、カンゲキの表紙「まちに飛び出す旅役者」シリーズ(2017~2019)に、最初に賛同してくださったのは劇団美山さんでした。
里美たかし総座長が「面白いやん。大衆演劇を広められるならやるよ」と言ってくださったことを、恭子さんの初観劇の衝撃を読んで思い出したのですが、鋭い感性で新しいことに意欲的に取り組んでこられた劇団の長ならではの、言葉だと思いました。
同時に古典も大切にされているところも魅力ですよね。恭子さんが忘れられないとおっしゃる「梅川忠兵衛」で、花道から登場された里美こうた座長の梅川は、格別の風情だったでしょう(しばし想像の海を漂流…)。
メンバーのイメージカラーも本当にぴったりですよね!
今年4月の里美こうた座長襲名&誕生日公演は本当に凄いの一言で、取材班もしばし抜け殻になっておりました(笑)。
ますます進化する”美山マジック”。
恭子さんにとって観劇10年目になる来年、どのような舞台が展開されているでしょうか…(再び想像の海へ…)うーん、全くもって想像が追いつきません!
カンゲキスタッフ