KANGEKI2022年6月号Vol.69

木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇!第16回染弥あかり~劇団紫吹~前編(2/3)

木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇! 第16回 染弥あかり ~劇団紫吹~ 前編(2/3)

平成15年8月、東北は青森県のことである。 青森市の中央部には、市民に愛されている『青森健康ランド』があるが、夏まっさかりの時期、夏休みを楽しむ小学生でプールはごったがえしていた。

そんな小学生の中に、現在は、劇団紫吹の女優「染谷あかり」の幼い日の姿もあった。 本芸も本名も「星」と書いて『あかり』と読ませていた。小学2年生(8歳)のころである。

プールの隅には、一か所にたくさんの子供が集まっていた。育った地域や環境が違っても、子供同士はどんな時でもすぐに仲よくなり、盛り上がる。

その中で、とびぬけて色白の1人の男子がいて、自分の話をし始めた。 「僕の親は役者をしていて、大衆演劇なんだけど、わかる?僕も舞台に上がっているの。健康ランドの舞台に出ているから、見に来てね」と訛りのない標準語で、得意げにいった。

その話に興味をもって飛びついたのは、輪の中で少年の前で聞き耳を立てていた、あかりであった。

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2021.6.21
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