舞台裏の匠たち第12回アイディア光るオリジナルかんざし浅草「コマチヘア」(3/4)
欠かせないSNS
お客さんは関東の方が多いですか?
基本的にはそうですが、好きな劇団を追いかけて、遠征で浅草に来たというお客様が、うちのホームページやSNSをご覧になって、来てくれることも多いです。
インスタ、X(旧ツイッター)、フェイスブック、LINEをやっていますが、インスタから訪問してくれる方が一番多いですね。『インスタに載っていたあのかんざしに、この役者さんの名前を入れたい』という形でご連絡いただいたり。
あとは、舞台上にプレゼントが上がるのをご覧になったときに、プレゼントの袋で『コマチヘアの商品だ』と知って、来店してくださったり。もしくは、お客様自身の創作イメージがあって、『こういうものは作れないでしょうか』という方もいらっしゃいます。
それぞれのお客様の連絡の取りやすい手段で、データでやり取りをして、商品を作っていきます。実際には一度も会ったことがないお客様もいます。
SNSは、欠かせない宣伝なのですね。1~2日に一度は画像をアップされています。
インスタも、Xも僕が更新しています。
きっかけは、コロナ禍の最初期、浅草から人通りが一気に減ってしまった時期がありました。お客様が来れない状況なのであれば、発信をしようと思って、始めました。朝、開店したらその光景とかを載せていました。そのおかげで、状況が少し上向くと、大衆演劇のお客様が来てくれるようになりました。
約20人が働く大店
従業員は全部で何人いるのでしょうか。
店舗三つと、美容室と、鬘の工場、全部の従業員を合わせて20人くらいです。募集をかけると応募してきてくれるのは、大衆演劇が好きな人、和の世界観が好きな人、元美容師の人、それから昔かつら屋さんで働いていた人とか。お休みは交替制で取ってもらっています。
かんざしが好きな方には、最高の仕事だと思います。
昔の仲見世には、うち以外のかんざし屋さんも4軒ぐらいあったんですよ。舞扇のお店も、いまよりありました。そのお店がみんな辞められてしまいました。
コロナがきっかけで、店を畳まれた、かんざし専門店もありました。職人さんの作ったかんざしが全部廃棄になってしまうのは忍びなくて、うちで買い取らせてもらいました。
20人もの方が働く、既に大店ですが、今後の夢は何でしょうか。
もちろんかんざしも大切ですし、コマチヘアブランドの鬘を増やしたいですね。
鬘の工場が第一店の上にありまして、鬘を一から作ることができるんです。人毛でも、化繊でも作れます。大量生産は難しいですが、特注オーダーなどを受けています。業界全体では、海外製の鬘が圧倒的に多いですが、浅草で鬘を作っているんだということをもっと知ってもらいたいです。それが僕の夢というか、野望です。
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