KANGEKI2023年1・2月合併号Vol.75
舞台裏の匠たち第7回着付け師・大門良美さん(3/6)
閃きの帯結び
帯のアレンジが独創的です。どうやって考えられるのですか?
良美
音源と鬘からイメージが沸き、あとは帯を持った瞬間に閃きます。
さらに、これまでに閃かれた帯結びの一部をご紹介。すべて良美さん提供写真です
良美さんの着付けは、大衆演劇の楽屋だけでなく、別の分野にも広がりました。テレビタレントさんの着付けや、卒業式、成人式の着付けもされています。
良美
外のお仕事でも、大衆演劇で培った知恵が生きたことがあります。卒業式のお嬢様の着付けをしていたら、お荷物に半幅帯が入っていなかったんです。おうちの方が入れ忘れたということでした。伊達締めがあったので、これを使うことにしましたが、後ろの盛り上がりができません。
どうしようと思っていたら、着付け会場が美容室だったので、お子様向けの絵本があることに気がつきました。とっさにこれを使おう!と思い、店長さんに説明して絵本を頂いて、絵本の固い部分を切って袴板にしました。瞬時に判断できたのは、大衆演劇の楽屋で働いてきたからだと思います。
普通の方は、絶対できない判断です。
良美
役者さんもブログでこのエピソードを知って、すごいですねとおっしゃってくれました(笑)。
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