KANGEKI2021年12月号Vol.64

見海堂劇団お芝居「丹下左膳妖刀濡れ燕」

劇場:明石ほんまち 三白館取材日:2021年10月23日
カンゲキツアーレポート 見海堂劇団 お芝居「丹下左膳 妖刀濡れ燕」

大盛り上がりのカンゲキツアー、第16回は見海堂劇団in明石ほんまち三白館へ!

明石ほんまち三白館

この日は特選狂言ディ1日目で、お芝居がたっぷりあるため、舞踊ショーからのスタート。終演後には質問コーナー&舞台解説と、盛り沢山の1日の模様をお伝えします。まずはこの日の目玉・特選狂言の舞台模様をお届けいたします!

特選狂言「丹下左膳 妖刀濡れ燕」

あらすじ

 剣術の名門・柳生家の当主・宗春が病死。宗春の息子・宗冬はまだ1歳。筆頭家老の大河内は、家督を狙う千葉幽斎から宗冬を守るため、同じ裏柳生である留八に宗冬を託す。柳生家の証であるこけ猿の壺と妖刀濡れ燕とともに「くれぐれも身分を知られぬように育てよ」と…。

9年後。宗冬は「チョビ安」の名で大切に育てられるも、再び危険が迫る。留八の家から逃れたチョビ安は、隻眼隻腕の浪人・丹下左膳と出会い、的屋のおせんの家での居候生活が始まる?!
柳生のお家騒動をめぐって真之介左膳が大暴れ!1幕10場の大作です。

主な配役

序幕 柳生家

柳生宗春は後継者に悩んでいた。息子・宗冬はまだ1歳…
筆頭家老大河内は宗冬が成長するまで見守るのが家臣の務めと言う

第2場 幽斎の謀反

宗春が病死、千葉幽斎が動く
こけ猿の壺と大河内の家宝の濡れ燕とともに、宗冬を託す大河内。 「留八よ、忍んで暮らせ」
父・大河内が斬られたとの知らせに駆けつける左膳。
幽斎に右眼と右腕を斬られて…

第3場 留八の家

9年後。留八の孫の「チョビ安」として、健やかに成長した宗冬。留八は病に侵されていた。
やくざ者が借金の返済を迫る
チョビ安にこけ猿の壺と妖刀濡れ燕を持たせて逃す
留八に言われるまま家を出るチョビ安
千葉幽斎の家臣
「ここに子供はいるか?」

第4場 丹下左膳登場

やくざ者に壺を取られたところを丹下左膳に助けられる
しかし…
「これは俺がもらっておくw」
「じいちゃんの壺返せ!」
「返すまで離さない!」
「勝手にしろ!」

第5場 おせんの的屋

壺を取り戻すまで居座るチョビ。
おせんが話しかけてもガン無視w
左膳とおせん、チョビの根比べ。 実は似たもの同士?!
射的にやって来た柳生源三郎はおせんに目をつけて…
妻の知恵に見つかってしまう
恐妻家の源三郎
「楽屋と一緒!?」
喧嘩のふりをしながら「取引」をする源三郎と左膳
大人たちが出て行った後…
買い物から帰って来たおせんがチョビの置き手紙を見つける

第6場 留八の家

誰もいない家で途方に暮れるチョビ。留八が殺されたことを話せず、旅に出たと嘘を言う左膳
隣の住人が留八から手紙を預かっていると言う
チョビを連れて帰る左膳。
すれ違う千葉一味
「見つけたぞ。宗冬だ」

第7場 居酒屋

すっかり意気投合する源三郎と左膳。源三郎は自分が柳生家の人間であることを打ち明ける

第8場 おせんの的屋

左膳の留守中、的屋が荒らされ、チョビが連れて行かれてしまう
留八の手紙で何もかも知る左膳。
チョビが柳生の後継であること、チョビが持っているのは左膳の父の形見・妖刀濡れ燕であることも
「源三郎、おせん。チョビを助けに行くぞ!」

第9場 千葉幽斎対丹下左膳

千葉一味に捕らえられたチョビ
チョビを助ける左膳
「こんな壺、要らない!」
壺を叩き割る!!
チョビから渡された刀はまさに探し求めていた妖刀濡れ燕

大詰め 街道端

柳生家の跡取り・宗冬として源三郎に連れて行かれるチョビ安

このまま幕と思いきや・・・

「ったく。空気読めよ…」

カンゲキ的見どころ

見海堂版丹下左膳の魅力

時代劇の中でも異色のヒーロー・丹下左膳。見た目からしてだいぶヤバイw。超マイペースで気まぐれで、お人好しであったかい。「ガキは苦手だ」と言いながら、いつの間にかチョビ安がなくてはならない存在に…。チョビ安との掛け合いから、左膳の心の変化が浮かび上がります。

2時間近くある長丁場のお芝居で、左膳はもちろん、チョビ安も千葉幽斎も源三郎も、何度も花道を駆け抜け、客席後方から舞台へ向かう。劇場全体を使っての演出に巻き込まれます。ぜひ舞台で!

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