KANGEKI2021年9月号Vol.61

旅芝居女優名鑑第5回高野花子この振り幅を見てほしい!芸道24年・フリーで羽ばたく

取材日:2021年8月7日
旅芝居女優名鑑 第5回 高野花子 この振り幅を見てほしい! 芸道24年・フリーで羽ばたく

脇で光るバイプレイヤー

ある時は長屋の慈愛あふれるおかみさん、ある時は侠気あふれる渡世人の女房。またある時は生真面目な侍、お人好しの役人、憎たらしい敵役の大親分。

はつらつとした声と朗らかなムードから、さっそうと切る啖呵に、愁嘆場での全身絞り出すような嗚咽…。どの場面でもありったけの熱量で演じる女優・高野花子さん。

高野花子
(2019.8.9 明生座)

24年の舞台キャリアを持ち、現在嵐山瞳太郎劇団に参加。頼れるバイプレイヤーとして活躍するほか、着物や和小物の製作も手がけるマルチぶり。

器用で努力家の花子さんなら、どんな業界でも突き抜けた存在になれるのでは…なんて想像てしまいますが、いつ、どんなきっかけでこの旅芝居の舞台に進むことになったのでしょうか。

2021年8月、梅南座での公演の合間を縫って、これまでの軌跡をお話いただきました!

第1章
劇団員募集の広告が運命を変える

幼稚園のお遊戯会が大好きだった女の子

1歳くらいの頃の花子

四人きょうだいの一番上で両親ともに教師。 将来は教師になるよう育てられた花子。

生まれたのは愛知県です。実家はお寺で両親とも教師…と言うと、一般的にはお硬い家と思われると思いますが(笑)。
小さい頃の私は大きくなったら何になりたいとか、はっきりしたものはなくて、親からは高校から大学へ進学して教師になるというレールが敷かれてました。

七五三の晴れ着の花子
扇の持ち方が堂に入っている?!

幼稚園の頃、お遊戯会とかがすごく好きでした。小学校の学芸会も張り切ってやっていて、年1回児童劇団が来てくれるのを心待ちにしているような子でした。観るのは好きでしたが自分でやろうとは思わなかったですね。中学では剣道部に入っていました。

勉強はある程度出来る方でしたが、親の手前ポーズしていただけで(笑)、学校自体好きじゃなかったんです。

小学2年の学芸会で。 中央でひざまづいているのが花子

芸能業界へのほのかな憧れ

高校2年までは大学に行く予定で真面目に勉強していたんですけど、芸能業界に憧れて、そういう仕事が出来たらと思い始めました。アナウンサーでも良いし、裏方のADでも良かった。とにかくその世界に入りたいと。
お笑いも好きで、そっちをやりたいと思った時期もあったんですよ。よく数学のプリントの裏にコントの台本を書いていました(笑)

中学から高校の生徒手帳。
(完璧な保管状態がすごい!)
「真面目を絵に描いたような顔ですよね(笑)」(花子)

高校3年の春、我慢が爆発?! 

でもそんな夢は自分の中だけで、誰にも話さなかったそう。

友達にももちろん親にも。ずっと我慢していました。それで高3になる前の春休みに、溜まりに溜まった我慢がボン!って爆発して(笑)。宿題とか一切やらず、授業もサボりにサボりました。

どうにか卒業出来て、これから自由にやるぞ!というわけで、手にしたのがエンタメ情報誌の「ぴあ」※¹

その中に劇団員募集の広告を見つけたんです。
「名古屋の大須演芸場で劇団誠※²の公演があります。そこで大須新喜劇をやるので出演者募集します」というようなことが書かれていました。

資料請求のつもりで、劇団誠のオフィスに電話か手紙かで連絡とったんです。そしたら当時のマネージャーさんから電話で「1回面接するので来てください」と言われて。

資料だけで良かったのに面接なんて無理。でもまだ卒業したばかりの田舎の小娘は断ることも出来ず。仕方がないから会って資料をくださいというつもりで、指定された喫茶店に行きました。

すると「5月3日から劇団誠の公演が始まるのでこれこれこれを揃えて来てください。以上」みたいなことをわーっと言ってわーっと帰っちゃった(笑)。断るつもりだったのですが、聞いた以上行くしかないと思って…。

※¹ 「ぴあ」 株式会社ぴあが発行していた、1972年創刊のエンターテイメント情報誌。雑誌版は2011年に休刊。現在はアプリ版で公開。
※² 劇団誠 1984年松井誠が結成。独自の時代劇を中心とした大衆娯楽劇の舞台を展開

「劇団夢の旅」で踊る花子。
22歳くらいの頃

次ページ:第2章 修行時代 養成所から舞台へ

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