かんげき2025年3・4月号Vol.94

木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇!第34回葉山花凛編前編~嵐瞳劇~(2/4)

劇場:スパリゾート雄琴 あがりゃんせ
木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇! 第34回 葉山花凛編 前編 ~嵐瞳劇~ (2/4)

ある女性の学生時代のことである。

その学生はパティシエになりたくて、「専門学校」に通っていた。 その「専門学校」は、大きい商店街の中にあった。 通学のために日々通っている商店街にはいろんなお店が並んでいる。中には雑居ビルもある。 そのビルの中に、松山劇場という「大衆演劇」の劇場もあったが、興味がないとその存在にすら気づかないものである。

ある日、 学生は授業と授業との間の休み時間に、窓ごしに商店街を眺めていた。道を挟んだ雑居ビルに、人だかりができている。 「なんだ、あれは?」ビルの周りにはノボリもたっている。 ノボリには「下町かぶき組 劇団 悠」と書いてある。今まで全く気がつかなかった。

「なんだ!この光景は」ーーちょんまげ姿の侍が、中年女性と握手をしているではないか。 もっと見ていると、誰かが手を振っている。

「なんだ、あの男前は。私に、こちらに来いといっている?」

そんないきさつから、その学生は「大衆演劇」と巡り会い、夢だったパティシエを諦め、女優になった。 「嵐瞳劇」の座長夫人であり、名は葉山花凛。今回の「天職先は大衆演劇」の主演女優を演じてもらう。

パティシエとなりケーキ店やカフェに就職しようとしていた学生が決めた転職先が、なんと大衆演劇であった。

さて、花凛が主演を務めるこの舞台、どんな人生芝居が始まるのか。ブサーがなる。