追っかけ上等!お客も旅する旅芝居其の十九ジオラマ小屋烏丸座編
カタギで生きていたはずなのに、気が付けば草鞋を履いて全国を旅していた 旅がらすの烏丸です。
紙媒体のKANGEKIで連載していたコーナーを、ありがたいことにWEB版でも続行させていただくことになりました。ワーーイ!!(^o^)
リニューアル一発目はちょっと番外編!旅に出られないコロナ禍の中、私が自宅でチマチマ制作をしたジオラマ小屋「烏丸座」をご紹介します!
2020年春頃は私の住む大阪でも劇場公演は休演が続き、おとなしく家で自粛する日々。思いを馳せるのはやっぱりお芝居小屋のこと――
そんな超暇な時に思い付いた「そうだ、行けないんだったら作ろう」
踏み切ったのは5月5日子どもの日。さっそく100円均一で材料を買ってきた。材料と言っても何が必要なのかざっくりとしか想像していなかったので、あとは家にあるもので何とかなるか~精神。
この時の心情は「ちょっと面倒くさい」(なんでやねん)
まずは土台づくり
家にあったお菓子の空き箱を切る。これが劇場の土台となるので慎重に。1cm→2cmの幅に切り込みを入れて山折り谷折り…
その上から100円均一で買った壁紙ステッカーを貼ると、なんとなく階段っぽくなった。さて次は…
舞台に高さをつけて、段ボールを繋げて花道作り。階段との隙間のジグザグに当てるパズルみたいな板づくりが難しかった…。しかしこれがハマった瞬間、ジオラマ製作の意欲が爆上がりする。
桟敷づくりには真心がいる
100均でたまに売ってる、100円じゃない商品。高級スリッパを分解し、余すことなくすべて使おうという計画。ちなみに今までスリッパを分解したのは初めてで多分これから先も恐らくないだろう。
畳素材の部分を切って花道の隣に当て込むと、一気に桟敷席風になった。やっぱり桟敷席は一般の椅子席とは違う、お客さんがホッと出来る空間を演出しなければいけないですからね…。(気分はもうすでに劇場オーナーになっている)
柄生地とレザー生地を合わせて座椅子づくり。座り心地をふんわりさせる為に厚めの生地を包んだ。こちらの桟敷席は別途¥200が必要です。
椅子席づくりと舞台上を盛り上げていくぞ!
フェルトで作った椅子。脚を付けると一気に馬か何かに見える。
色塗りやお絵描きは水彩絵の具。不織布での緞帳づくり、テーマは「和歌山」。どこまでも故郷を愛しているのだ…(遠い目)
赤のフェルトに金色のリボンテープを貼り、裾にハサミを入れていく…。
あるよなぁ~という感じでどこの劇場でも見るのだけれど名前の分からないアレ完成。
急に小道具に走る
子どもの日に食べたチマキ…を巻いていた竹皮と、ティッシュと黒い折り紙でおにぎりづくり。ボンドでティッシュを三角に固めたらすぐに出来た。ポイントはなんと言っても竹皮である。
鬼の形相で次々と割りばしを折り、茶店に出てくる長椅子づくり。その上に先ほどのおにぎりさんを乗せると、心なしか芝居が今にも始まりそうな空気がふわり。
芝居小屋にこいつは欠かせない
投光、ピンスポットは絶対必須…!我々の推しを灯してくれる大事な投光。これまた絶妙なサイズ感のライトが売ってあって、本当に100均さまさまである。
早速、舞台に当ててみた。
緊張感が走るおにぎり。こんなシリアスな顔は今まで見たことがない。
憩いの売店に思いを募らせる
大半の劇場にはある「売店」。10件の劇場があれば10通りの売店があるのではないだろうか。烏丸座にはオーソドックスな「ザ・売店」を置こう。
材料は、薄い段ボール、木製マドラー、竹串、赤い和紙。お芝居にもある「峠の茶屋」。梅田呉服座の売店を参考に、完成したばかりなのにもう年季が入っている…。(水分の多い絵の具でふやけた段ボールのせい)
リクエストを募集することに
黙々とひとりで作るのは楽しいけれど、フと虚しくなるのでTwitterのフォロワーさんへリクエストを募集してみた。同じ故郷・和歌山のお友達より「みかんサンド」のご注文をいただいた。
納豆の容器の発泡スチロールで白いパン、絵の具とボンドを混ぜて生クリーム、爪楊枝を使って絵の具で模様を描き、仕上げはサランラップ…
お外題表の隣に置いているのはおでん。ぶらくり劇場のおでんを意識して作った。中にはスープに見立てた茶色い和紙が入っている。誰にも見えないけどね…ふふふ。お外題表も自由に取っていってや~。
※職場で休憩中に作ったお外題表。参考にさせていただいたのは新潟にあった古町演芸場。(2020年5月に閉館されました←悲しさのあまりお外題表だけでも…)
珍リクエスト「弧狸狐狸ばなしに出てくる素うどん」
って、なんとマニアックな!(笑) 行程が多いのでまとめよう。ちなみに作り方はYoutubeを見ました。材料は、レジン液(スープ)、樹脂粘土(麺)、絵具など。
うどんデカッ!!
(作業が細かくて息を止める)
完成!
おにぎりに添えてみた。
うおぉぉ~!美味しそう!!
もうこれだけで芝居の1場は出来そう。茶店のシーン♪
「背景幕づくり」に続く――