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KANGEKI2021年2月号Vol.55

カンゲキトピックカンゲキトピック森川竜馬劇団なにわの真ん中芝居のまちで特別公演!

劇場:道頓堀 ZAZA取材日:2020年12月13日
カンゲキトピック 森川竜馬劇団 なにわの真ん中 芝居のまちで特別公演!

2020年12月、森川竜馬劇団が、なにわの繁華街のど真ん中「道頓堀ZAZA」にて自主公演を開催。「お芝居中心」と銘打っての公演は毎日昼夜でお外題替りなど、盛りだくさんの2週間。カンゲキでは「竜馬の日」をレポート。お芝居は特選狂言「人斬り林蔵」!

上尾の林蔵(森川竜馬座長)

竜馬の日
特別狂言「人斬り林蔵」

 あらすじ

 上州は上尾宿。 上尾一家の林蔵が、島送りの刑から10年ぶりに帰ってきた。 かつては界隈を仕切っていた上尾一家だが、林蔵不在の間、屋根屋正五郎が幅を利かせるようになり、今では子分は玉造の勇造がただ1人。最後の縄張りまで奪おうとする屋根屋一家に、必死で抵抗していた。
林蔵の帰りを喜ぶ勇造。そこへ屋根屋一家が襲いかかる…。 1幕4場の重厚な時代仁侠劇。「人斬り林蔵」の異名を真価を発揮する壮絶な立ち回りが見どころです!

主な配役

序幕 上尾宿はずれの茶店

林蔵(森川竜馬)が10年ぶりに上尾宿に帰ってきた
茶店を出る林蔵とすれ違う屋根屋正五郎(市川富美雄)
「どっかで見た顔だな…あっあれは。林蔵!」

第2場 上尾一家~第3場 清水次郎長一家

たった1人で一家を守っていた勇造(天龍地そら)は、病で明日をも知れない身体だった。
「雪がちらつくこの季節、ひとえの着物ただ1枚。この合羽をまとうがいいぞ…」
次郎長(獅童礼斗)に林蔵が帰ってきたという知らせが入る
上尾に向けて出立するお蝶(桜美はるひ)とお千代(桜美照乃)
「とっつあん、どの道から来なさった?」
「興津の方から陸づたいに」 「なら入れ違いになっちまったか」
次郎長から護身用に刀を腰にして
「ドスを持ってふらつくようじゃあ、年はとりたくねえものでござんすね…」
「このままとっつあんを帰してよかったのか…何だか胸騒ぎがする」

大詰め 上尾一家

屋根屋一家がやって来る
「短気はならねえと親分がかけた情けのこの鐔止め、切るわけにはいかねえ…!」
屋根屋一家が勇造を襲う
駆け戻った林蔵を待っていたのは、変わり果てた勇造の姿だった
勇造を弔った後、水と塩を撒いて地面を清める林蔵
潜んでいた屋根屋一家が林蔵に襲いかかる
「上尾の林蔵鬼より怖い。にっこり笑って人を斬る。俺は人斬り林蔵だ!」
読経が鳴り響く中、死闘は続く
「勇造。おめえの仇はとってやったからなあ…ッ!」
次郎長が林蔵を抱き起こす
「お千代のためにお蝶が作ったこの着物。お前さんの手から着せてやりなせえ」
成長したお千代の姿を満足そうに見る林蔵
「おとっつあん!!死なないで!!」
「人斬り林蔵。惜しい男をなくしたな…」

カンゲキ的見どころ

2019年5月号の劇団旗揚げ取材のインタビューで「演ってみたい役は?」と尋ねた時の竜馬座長の答えがこの「林蔵」でした。

「『人斬り林蔵』は森川劇団の大事な1本。頭の中でずっと描いていますが、まだ今じゃない。師匠が演っているのを見ていましたから、おいそれとは出来ない」(竜馬座長)

それから1年、森川竜馬劇団の大事な1本として上演。
竜馬座長演じる林蔵は、子分を思いやる気持ちが丹念に表され、それゆえ悲しみからブチ切れる瞬間が凄まじい迫力に。
血と水にまみれての立ち回りに客席からも声が上がりました!

 

 

舞踊ショー(メンバー紹介)

座長 森川 竜馬

劇団メンバー

桜美はるひさくらみはるひ
桜美照乃さくらみあきの
客演 天龍地そらてんりゅうち そら

ゲスト

戟党 市川富美雄一座 座長 市川富美雄いちかわ ふみお
劇団獅子 座長 獅童礼斗しどう あきと
劇団天虎 座長 七星泰河ななせ たいが

取材トピック

竜馬座長がこぶしを挙げるとこんなコールが・・・

舞踊ショーで座長がはける時にも「よいしょー!」
声を出さずに一緒に手をあげるだけでもストレス発散、楽しくなること請け合い。
初めての方もみんな一緒に「よいしょー!」(たのしーッ)

劇場紹介

ここは大阪市中央区道頓堀。
かつての芝居小屋が立ち並ぶ界隈にライブ・エンターティメント「道頓堀ZAZA」はあります。

「くいだおれ人形」が目印の「中座くいだおれビル」 の地下1階。

かつてお芝居のまちとして賑わった時代、道頓堀五座の1つである「中座」の跡地が、この「中座くいだおれビル」で、上方芸能文化の歴史的スポットなのです。

ホールのエントランス

「10月には劇団雪月花さんも公演をしてくださいました。今後も大衆演劇の劇団様に使っていただけたら」とZAZAの今井隆彦さん。
地下鉄なんば駅から歩いて5分とアクセス良好。これからも芝居町での大衆演劇興行、楽しみにしいます!

プロフィール

森川竜馬

森川竜馬劇団座長森川竜馬もりかわ りょうま

生年月日 1980年1月17日
出身地 大阪府
血液型 B型
初舞台 3歳
サイト・SNS ブログ
 

初舞台は3歳。
10歳の時、二代目森川長二郎(現二代目梅澤秀峰)の内弟子として、森川長二郎劇団に入団。
2016年、森川劇団の副座長を襲名。
実兄である森川竜二座長を支え、持ち前の明るさと、力強い演技で人気を博す。
2019年1月、自身の劇団を旗揚げ。

撮影・執筆:加藤わ呼

劇団情報

森川竜馬劇団

2019年1月、大衆劇場仏生山にて旗揚げ。 森川劇団で副座長として活躍した森川竜馬座長。 老舗劇団で会得した芝居や諸芸の伝統を大切にしながら、時代の変化にも応え、お客様を楽しませる舞台を目指す。

森川竜馬劇団公演予定

劇場情報

道頓堀 ZAZA

大阪府大阪市中央区道頓堀1-7-21中座くいだおれビル地下1階

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