KANGEKI2022年12月号Vol.74

お芝居小屋探訪其の三十歌舞伎町劇場2023年10月新宿にオープン!新世代型大衆演劇場・速報版

劇場:歌舞伎町劇場取材日:2022年10月20日
お芝居小屋探訪 其の三十 歌舞伎町劇場 2023年10月新宿にオープン! 新世代型大衆演劇場・速報版

新世代型の大衆演劇劇場として、2023年10月オープン予定の歌舞伎町劇場(かぶきちょうげきじょう)。 プレス発表後、Yahoo!ニュースに取り上げられ、Twitterでも話題になりました。

プレスリリースページ

場所は、東京都新宿区・新宿駅前に新設される商業ビル「ハナミチ東京 歌舞伎町」の地階。ビル全体が「和」をテーマにされており、気軽に江戸の文化に触れることができるスポットになるそうです♪

今回「お芝居小屋探訪」の速報版として、運営団体である合同会社dotworks代表・与田想(よだ・そう)さんより、新劇場の魅力や構想についてプレ情報をお送りいただきました!

歌舞伎町劇場ご紹介

懐が広く刺激的な街・歌舞伎町に劇場を

 

新宿・歌舞伎町という大繁華街を選んだ理由と経緯

与田想代表(以下 代表)

自分にとって都内で最もなじみのある街であり、学生時代は新大久保~早稲田のエリアに下宿していたので、映画やライブなど、遊びに出かけるのは歌舞伎町でした。

貧乏学生でも夜通し楽しめる、文化と娯楽と飲食が一緒くたの、懐の広い街。みんなが新しい刺激を求めて集まる場所。当時から歌舞伎町に抱いていたのは、そんなイメージです。

なので、大衆演劇の劇場を関東に開業しようと考えたとき、真っ先に浮かんだのは歌舞伎町でした。でも実際に開業するのは……正直言って、不可能だろうなと。家賃相場がとんでもなく高く、劇場を開業できるだけの面積と法令をクリアできる物件自体がなかなか見つかりません。

そんな時、2021年の秋頃に、ご縁がありハナミチ東京歌舞伎町という新築ビルに破格の条件で入居させてもらえることになったのですが、本当に奇跡的な出会いだったと思っています。

ハナミチ東京歌舞伎町ビルイメージ

気軽に非日常を味わえる大衆演劇

 

大衆演劇の魅力~劇場開業へ

代表

大衆演劇に限らず、全てのライブエンターテイメントに共通するのは、日常を忘れて楽しめること。中でも大衆演劇は、値段の安さと日替わり演目が魅力と思います。

事前の予習や古典にまつわる知識がなくても筋立てが理解できる、わかりやすさも大きな魅力ですが、ただ分かりやすいだけではなくて、ちゃんとしたメッセージ性や教訓が含まれているお芝居もたくさんあります。

難しいことを考えずに見ているうちに、自然と何か深いものが心に残る。非常に懐の広い芸能だと感じています。

また、大衆演劇の役者さんはほぼ毎日着物を着て江戸の文化・風俗の中で芝居をしています。そういった旅役者の暮らしの中でしか残らない、独特の所作や台詞の面白さは、大衆演劇でしか味わえません。

劇場イメージキャラクター

次世代に繋いでいくために

代表

手頃に楽しめる演劇という一方で、お値段以上の豪華な舞台を作るために、様々なところに負荷がかかっているのも事実です。

前狂言、切狂言での上演形式が廃れるなかで、昔からの口立てのお芝居もどんどん数を減らしています。

これから先の世代に大衆演劇という素晴らしい文化をつなげていくために、まずは『劇団』『劇場』『お客様』誰にとっても負荷の少ない公演形態を模索してみたいと考え、劇場を開業することを決めました。

また、劇場というプラットフォームを利用して、学術機関と連携しお芝居のアーカイブにも取り組んでいきたいです。

少しずつでも作品批評の土壌を作ることで、歌舞伎や浄瑠璃に並ぶ伝統文化のひとつとして世間に認知されるようになるのでは、と考えています。

LEDビジョンでダイナミックな演出

 

歌舞伎町劇場の魅力・特徴とは

代表

舞台設備にはかなりの予算を割き、本格的な舞台をお楽しみいただけるように設計しています。一番の特徴は舞台背面に設置するLEDビジョンです。

私個人は手描きの背景幕や書き割りの風合いが好きなのですが、保管場所の問題などからたくさんの種類を揃えることができません。

LEDビジョンを使えば雪や嵐などの天候の変化、夕方から夜への時間の移り変わりが無限に表現できますし、新しい背景の制作も安く早く可能になります。
例えば川町ひとつでも、田舎町から江戸の街、橋の有無や雪景色など、何十種類も用意できるんです。

そのほか、プロジェクターを使った演出、舞台後方に設置する大型のセリや長くまっすぐな花道など、お芝居の見応えを高める装置がたくさんあります。

LEDビジョンによる背景

見やすさと使い勝手の良さを追求

与田

お客様の使い勝手の面では、まず基本的なところでお手洗いやエレベーターの整備ですね。また、客席の見やすさ、座り心地の良さにはこだわっています。客席の傾斜はそこまで大きくないのですが、舞台自体を高くしているので、どこからでも見やすくご観劇いただけると思います。

もうひとつの魅力は、劇場が入るハナミチ東京歌舞伎町というビルそのものです。江戸の食をテーマにしたフードコートとバーベキューテラスのあるレストラン(11月オープン予定)や、着物店など、大衆演劇のエッセンスをたくさん感じられる店舗になる計画です。

着物に着替えて観劇し、江戸の食を味わい……と、ビル全体で大衆演劇にまつわる衣食楽を満喫できるスポットになりますので、劇場の外でもたくさん楽しみを見つけていただきたいですね。

フロア図面(劇場インスタグラムより)

古典の入り口として・オープンな雰囲気の劇場に

 

オープン後はどんな劇場に?

代表

古典の入り口として、大衆演劇ほど分かりやすく親しみやすい芸能はありません。今回、まったく新しい場所に劇場を開業することで、初めて大衆演劇や日本の古典芸能に触れるお客様も多くご来場されると思います。

また、『いちげんさん』から、ディープに『推し活』を楽しみたいお客様まで、どなたにも快適に観劇いただける、オープンな雰囲気の劇場にしたいと思っています。

LEDビジョンによる背景

他芸能とのコラボ企画も

代表

歌舞伎町劇場は大衆演劇の常打ち小屋ですが、劇団の負担軽減のため週一回の休演日や、1.5ヶ月公演などを設定します。この空き日程を利用して、貸館や劇場主催イベントに挑戦していきたいと考えています。

劇場主催イベントとしては、女優さんだけの大衆演劇公演や、歌舞伎役者さんと大衆演劇役者さんのコラボ公演などの企画が進行中です。

他にも、落語や講談などの話芸や、無声映画の活弁上映など、大衆演劇ともつながりの深い和の文化をテーマに、様々な企画を打ち出していきたいです。

劇場ロゴ

クラウドファウンディング第1弾募集中!

 

これからの予定~皆様へメッセージ

代表

この秋口から劇場の入るビルの工事が始まっており、年内いっぱいで地下の掘り下げが完了する予定です。

劇場側の設計は概ね固まり、資金調達の目処は立っていますが、照明、音響などの舞台周りの機材や大道具、小道具をより充実させるため、クラウドファンディングを実施しています。

第一弾では、開業記念手ぬぐい付きのプランや開業前の劇場の見学ツアー付きプランなどご用意していますので、ご興味のある方はぜひサイトの方をご覧ください。

公演いただく劇団は、春前には発表できるかと思いますので、お楽しみにお待ちください。

ハナミチ東京歌舞伎町ビル現地 (劇場インスタグラムより)

基本情報

歌舞伎町劇場かぶきちょうげきじょう

〒160-0021 東京都新宿区歌舞伎町1丁目6-16
ハナミチ東京歌舞伎町ビル1F
2023年8月末竣工予定

新宿駅・新宿三丁目駅・西武新宿駅 徒歩約5分、サブナード13出口を出てすぐ

料金

  • チケット代:2500円/公演内容により変更の場合あり
  • 座席指定代:300円/劇場窓口にて受付
  • ネット予約:3000円/一般最速、指定代・手数料込み

公演時間

  • 昼の部:13:00~16:00
  • 夜の部:18:00~21:00
  • 休演日:毎週木曜日

劇場に関するお問い合わせ

公式サイトのお問い合わせフォームからお送りください。

KANGEKIメモ

ネットでも話題の歌舞伎町劇場。ツイッターでアンケートが行われたり、構想段階から情報がシェアされるのも新時代!ですよね。

最新式の設備を整えつつ、大衆演劇ならではのお芝居の魅力をしっかりと伝えられるようにしたい、と与田代表。開業まで約1年、今後の情報も要チェックです♪

取材:加藤わ呼

劇場情報

歌舞伎町劇場

東京都新宿区歌舞伎町1丁目6-16ハナミチ東京歌舞伎町ビル 1F

歌舞伎町劇場公演予定

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