かんげき2023年5月号Vol.77

特集長谷川劇団密着取材!総座長愛京花インタビュー

劇場:梅田呉服座取材日:2023年2月15日
特集 長谷川劇団 密着取材! 総座長愛京花インタビュー

みんなで話し合って決めています

人気企画「平成VS昭和」メイキングストーリー

 

「昭和vs平成」はとても楽しい企画ですね。いつからやっておられるのでしょうか。

愛京花(以下、京花)

4年くらい前ですね。思いついたのは、武弥座長だったと思います。

 

内容についてはそれぞれチームに分かれて決めるのでしょうか。

京花

いいえ、毎回何をやるかはみんなで考えています。今回であれば、コントがあったり、『月の砂漠』を初代ペア(愛京花&藤乃かな)と、二代目ペア(京未来&長谷川一馬)で踊ったのが、ポイントかな。

 

今回は舞踊での対決でしたが、お芝居での対決も。

京花

あります!前狂言と切狂言、2本やったりしますね。平成チームが主役の時は私たちが子分役をやったり。

 

お芝居でも何をするかはみなさんで決められるのでしょうか。

京花

はい、そうです。

チーム昭和

笑ってほろりの「六連発」

 

今日のお芝居「六連発」はお客様も大爆笑でした。長谷川劇団はどちらかと言うと泣きのお芝居のイメージが強いのですが、喜劇も爆発力ありますね。

京花

ありがとうございます。振り幅、大事にしてます(笑)。

 

みなさんにお聞きすると、アドリブが多いとか。

京花

そうですね。筋は決まってますけど、やり方は毎回みんな変わりますね。

 

全員見せ場のあるところがあって、最後はほろりとさせられる展開も良いですよね。

お芝居「六連発」

「長谷川劇団だなあ」と言うお芝居

 

新作狂言も精力的に上演されています。今、どれくらいのレパートリーがありますか。

京花

100くらいかな? 今は演らなくなったものもありますし、足したら130くらいはありますね。

 

今、ホットなタイトルを教えてください。

京花

最近のもので、お客様から良い反応をいただくのは2年前に演った『雪女』や『恋の二筋道』ですね。

 

『恋の二筋道』も「雪女」も拝見しました!総座長の「雪女」が、あまりにもピッタリすぎて…登場の瞬間からどよめきが起こりましたね。

京花

そうでしょうって、自分で言うのもなんですけど(笑)。これは藤乃かなさんが私に当てて作ってくださったお芝居なんです。

先日上演した『弟よ』も、長谷川らしい良いお芝居と思います(2/12上演)。父の代から時代劇として演っていたお芝居で、近代の設定にして、元々の流れは変えずに演っています。

『三人吉三』や『残菊物語』のような大作ももちろん良いのですが、『弟よ』のような、『あ~これ見ると長谷川劇団だなあ』と思ってもらえるお芝居をやっていると、自分たちも楽しいですね。

総座長 愛京花あい きょうか

祝・若座長昇進!

 

いよいよ明日が京未来さん、22日が長谷川一馬さんの若座長襲名公演です(インタビューは2月15日でした)。若座長昇進については、いつからお話が上がったのでしょうか。

京花

話はふわっとは出てましたが、はっきりやろうと2人に告げたのは1年前だったかな。

 

総座長から見たお二方の良いところは。

京花

舞台にまっすぐなところですね。お互いに尊重し合い、男も女も関係なく、同じ立場で、舞台に対して誠実に向き合っているところ。劇団に対して責任感を持っているところ。この年齢(両名ともに21歳)ではすごいんじゃないかなと思いますね。

左より 京未来、長谷川一馬

みんなで話し合うのが長谷川流

 

ウェブマガジン公開は5月1日を予定しています。それ以降で何か予定があれば教えてください。

京花

うーん(考えて)…今のところ特にないかな。うちは、みんなで話している時、誰かが『こんなにやったら面白いんじゃない』って言って、『じゃあやろう!』ってやっちゃうんです。

私自身がずーっと考えるタイプじゃないので(笑)、それよりもみんなでワイワイ言いながら浮かぶパターンの方が多いかもしれません。

先は明るい

 

コロナに続いて物価高騰で、興行界もますます厳しいと言われています。大衆演劇全体を見て、何か考えられることはありますか。

京花

こればかりは1劇団の考えではどうにもならないと思いますね。こうあってほしいとか言い出すとキリがないですし…それよりも、その時その時で、対応できる力を備えておくというか。時の流れに任せると言う感じですね。コロナで舞台に立てなかった時期もあったから、それに比べたら今は舞台に立てるのでラッキーって思えます。

 

確かに、2年前は幕が開けられなかったでしたね…

京花

何でも考え方の問題ですね。劇団として先を考えるとうちは明るいと思ってます!

 

今日は密着させていただき、ありがとうございました。最後に、オフの過ごし方、最近ハマっているものがありましたら、教えてください。

京花

ゴルフです!(即答でした!by取材班)。10年以上やってなかったのですが、1年前から復活しました。めっちゃめちゃ楽しいです。仕事のことを一切考えない瞬間ですね(笑)。

総座長 愛京花あい きょうか

KANGEKI メモ

ロング公演は表も裏も大忙し。そこは抜群のチームワークを誇る長谷川劇団。阿吽(あうん)の呼吸で動きます。例えば音響係も皆で交代しながら実にスムーズ。子役さんも大活躍で、照明など、率先して動きます。

大人も子供も、男も女も、それぞれが対等に、支え合って舞台を成立させている…これこそが劇団の強みであり魅力ではないでしょうか。だから「先は明るい」!

プロフィール

愛京花

長谷川劇団総座長愛京花あい きょうか

誕生日 9月11日
出身地 熊本県
身長 158cm
足のサイズ 24cm
血液型 B型
初舞台の年齢 3歳
役者になったきっかけ 家業だったので
好きな食べ物 魚、野菜
嫌いな食べ物 納豆、梅干し
好きな色 赤、黒
香水 シャネル:アリュール・センシュエル
サイト・SNS
取材:加藤撮影:久下、加藤取材日:2023年2月15日

劇団情報

長谷川劇団

平成11(1999)年に海田温泉(広島県)にて旗揚げする。芝居巧者の長谷川武弥座長と愛京花総座長、そしてフレッシュな座員たちが、一丸となって繰り広げる若々しく元気一杯の舞台は、まさに大衆演劇界の癒し系劇団である。

長谷川劇団公演予定

劇場情報

梅田呉服座

大阪府大阪市北区太融寺町8-17プラザ梅田ビル5階

梅田呉服座公演予定

  • 2024年11月優伎座