KANGEKI2021年8月号Vol.60
旅芝居女優名鑑第4回美穂裕子「いないと困る」と言われる女優になろう(6/6)
美穂裕子フォトコレクション
お芝居「さくら」
お芝居「壬生狼」
お芝居「虎と龍」
舞踊ショーピックアップ
化粧前拝見!
最後に、裕子が馴染みの鬘屋さんから譲り受けたという道具をご紹介。
「三和スタジオに乗っていた時だから、もう5年くらい前かな。いつも頼んでいた鬘屋さんが、高齢で元結(もっとい)を絞める力がなくなったから廃業すると言われましてね。
鬘のことはその人にしか頼んでなかったので『そんな、私たち明日からどうしたら良いの?』と、駄々をこねるようなことを言ってしまいました。
すると数日後『よかったら使い。あんたが要らんかったら人にやるなりしたらいい』と、道具を一式下さったんです。
私泣きました。悲しいのと、嬉しいのと。
職人にとって命に近い道具を託してくださった。
私は本当に人に恵まれていると思います。血のつながりを越えた、深いお付き合いができているから…」
(美穂裕子)
プロフィール
劇団大川美穂裕子
1977(昭和52)年8月21日生まれ、奈良県出身。高校進学前に大衆演劇と出会い、15歳で劇団大川に入団。当時副座長だった椿裕二に弟子入り。全くの素人から稽古詰めの日々を送り、老け役から三枚目までこなす劇団女優の要として認められるようになる。
ショーでは大川龍昇に徹底的に鍛えられた正統派の日舞と、意表を突くコントで魅了。
交友関係が広く、毎年誕生日公演は、たくさんの花が会場を埋め尽くし、ファンが屋台を出すなど大賑わい。
最近ハマっているのはユーチューブ鑑賞。お気に入りは賀美座、かるちゃんねる(歌瑠多)、NaoTube里見直樹。
劇団情報
劇団大川
初代大川竜之助が創設。 二代目大川龍昇から平成18(2006)年1月に弟である椿裕二が座長を引き継いだ。 「芝居の大川」と賞賛された、熟練の演技は観る人を惹きつけ 、 舞台にかける気迫は観る人に新鮮な感動をもたらす。