旅芝居女優名鑑第10回花形錦りか~劇団錦~ライバルはずばり座長です!!
まえがき
旅芝居女優名鑑第10回は、劇団錦花形・錦りかさん。
取材日のお芝居「悲恋の女」では、好きな人のために火傷を負ってしまった娘役でした。
理不尽な仕打ちに耐え続けた娘が、あることでプツンとキレる。静かに、じわじわと放たれる殺気…。そこからは彼女の独壇場。舞台は悲劇に凍ります。絶叫や激しいアクションを一切入れずに「怒り」を表現するりかさんの役者魂に引き込まれました。
舞台への情熱にあふれ、劇団のムードメーカーでもあるりかさんが、幼い頃は舞台が嫌いで、極度の人見知りだったと言えば、誰もが驚くのではないでしょうか。
内気な性格をどのように克服し、強い精神力を身につけたのか。
錦りかストーリー全6ページ、どうぞご覧ください。
第1章 学校時代の壮絶な体験
家族全員役者
2001年、熊本生まれ。父は劇団錦座長・錦はやと、母は錦みやび。3つ上の兄・カムイがいます。楽屋生まれの楽屋育ちで、舞台に出るのはごく自然な流れでした。
初舞台は3歳で「沓掛時次郎」の太郎吉役でした。人見知りなので舞台は嫌いだったんですよ。そんなふうに見えないって言われますが。
カムイも同じで、兄妹揃って引きこもり体質(笑)。誰とも喋らず、教室の端っこで本を読んでいるような子でした。
小学校に入ってからは学校中心の生活になり、舞台から遠のきました。座長も姉さん(みやびのこと)も、無理に出ろとは言わず、自主性に任されていましたね。
転校先でいじめに遭う
学業優先のはずが、小学4年生の頃から学校に行かなくなったと言うりか。その理由を尋ねると…
学校でいじめられていたんですよ。私、小6で体重が80キロあったんです。体型のことと、転校生で1ヶ月しかいないから、ターゲットになってしまったんでしょう。
私もプライドがあったので、親に知られたくなくて黙っていました。でも最終的に気づかれたんですけど。おかげでメンタルめっちゃ鍛えられましたね(笑)。
一念発起で2ヶ月で38キロ減量!そのわけは?
辛い経験を乗り越え、強い精神力が備わったりか。中学2年からダイエット始め、なんと2ヶ月で38キロ落とすことに成功。
タレント事務所に入りたくて頑張ったんです。食事をサラダと鶏肉だけで炭水化物は絶対食べず、毎日運動しました。でもあまりに過激だったため拒食症になったので、おすすめしません(苦笑)。
ところで、なぜタレント事務所に?
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