KANGEKI2021年1月号Vol.54

木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇!第1回美月凛(紀伊国屋劇団)前編(2/6)

木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇! 第1回 美月凛(紀伊国屋劇団)前編(2/6)


出会い

私の勤め先である「あがりゃんせ劇場」は、スパリゾート雄琴あがりゃんせ内に2016年1月にオープンした。主に、大衆演劇をメインとする劇場ではあるが、まだまだ6年を迎えたばかりのすこぶる若い劇場である。

私は劇場の管理の他に劇団のお世話係でもある。 “カンゲキ”を愛読されている皆さんはご存じの通りであろうが、劇団は1ケ月に1度、月替わりで「乗り込み」をおこなう。

「乗り込み」とは、わかりやすく言うと、劇場から劇場への引っ越し(移動)の事である。

乗り込みは、思いのほか重労働で時間もかかる。座長の指示のもと、劇団員一同が力を合わせて行う、まさしく共同作業である。

乗り込みも日をまたいで、25時を超える頃、大半が片付く。

最後の方の仕事に、劇団のふんどし(緞帳の横に置く名前入りの幟)や座長や花形のタペストリーなどの飾りつけをするわけである。 その中に、ほかの劇団には見かけない、こんなものを発見した。

『座員募集
初心者の方でも大丈夫です。
舞台が好きで、やる気のある方求めています。
詳細は・・・』
紀伊国屋劇団
座長 澤村雄馬


通りかかったジャージ姿の女性に声をかけてみた。

「こんな風に募集しているのですね。」
振り向いたすっぴんの顔は、屈託のない笑顔で会釈。気持ちのいい美人である。 これは、女優だなと、直観した。

「まさか、あなたもこの募集で…」

「いいえ、私はおしかけ役者なのですよ。」

おしかけ女優。 この女性こそ今回ご紹介したい、女優 美月凛(みづきりん)、本名後藤容子〈仮〉である。

あがりゃんせ劇場
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