KANGEKI2022年5月号Vol.68
木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇!第15回初音きらら~劇団あやめ花形~後編
大衆演劇の劇団の多くは座長とその家族で構成されている。 役者の家系に生まれた、いわゆる幕内の人間が過半数を占める中、一般家庭から役者になった人もいる。
何がきっかけでこの世界と出会い、日々過ごしているのだろうか?
劇場オープンから6年、木戸番兼劇団のお世話係を務めてきた著者が綴る実録エッセイ。 第15回は劇団あやめ花形 初音きらら(はつね きらら)編の後編です!
もともと、大衆演劇には6歳から、興味をもって祖母や母と観に行っていたが……。
もっぱら、地元の新開地の劇場で大衆演劇を観ることが多かったが、劇団「花車」が乗るのは、1年に1回程度であるため、大阪で公演があるときは出かけていった。
そんな猿之助座長が旗揚げするのである。薫は器械体操からの卒業もあり、心にぽっかり穴が空いてきた時である。 そんなときである、猿之助座長が新しい劇団を立ち上げるので劇団員を募集している、という情報がはいった。 薫は、迷うことなく、入団を希望した。