かんげき2025年1・2月号Vol.94

木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇!第33回英昇龍編後編~優伎座~

劇場:スパリゾート雄琴 あがりゃんせ
木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇! 第33回 英昇龍編 後編 ~優伎座~

大衆演劇の劇団の多くは座長とその家族で構成されている。 役者の家系に生まれた、いわゆる幕内の人間が過半数を占める中、一般家庭から役者になった人もいる。 何がきっかけでこの世界と出会い、日々過ごしているのだろうか? 劇場オープンから8年、木戸番兼劇団のお世話係を務めてきた著者が綴る実録エッセイ。 第32回は優伎座(ゆうきざ) 英昇龍(はなふさ・しょうりゅう)編・後編です!(前編はこちら

エース 英昇龍はなふさ しょうりゅう

 

平成17年。 13歳になった健斗は北九州市立香月中学校に入学を果たす。もちろん、健斗はサッカーン部に入って、すぐに頭角を現す。体格はますます大きくなり、あたり負けをしない肉体になっていたし、サッカー感もますます研ぎ澄された。中学校のサッカー部の新留監督には、健斗について少し心配なことがあった。

あたり負けをしない肉体をもつと、負けず嫌いの性格で、どんどん好戦的にいってしまうことである。相手も同じ中学生である。健斗を潰しに来るのである。

中学2年生の冬である。 その試合が始まった。健斗はフォワードで先発出場していたが、ポイントが入らないことで焦りもあったが冷静に心をしずめた。

健斗にはゴールができるイメージが湧いた。ゴールまで中央突破だ。その時だった。相手のディフェンダーがすごいスピードで近づいてくる。相手の股を抜いてやろうとした瞬間、右の足首に衝撃が走った。 次の瞬間に、経験したことがない痛みが足から背中まで走った。

仲間が集まってくる。口々に何かを言っている。何を言っているのかわからない。担架で運ばれる。救急車、病院、オペ室の映像が頭の中で、ONになったりOFFになったりして、まるで古いデレビモニターのようになり心もとない。

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