木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇!颯天蓮(正舞座)前編(3/4)
Ⅱ
背の高い女の子
結果、帰宅部になる。
家の帰ると、すぐに、スケッチブックに向かう。
アニメのキャタクターや、イラストを描くのに没頭する。アニメの自由の空間、空想の世界に酔う。そこには、たくさんの人間も登場する。その人間模様が、自分で描いていて楽しかった。
吹き出しに台詞をいれる、人格ができると自分で声を付けてみる。女の子の声、その幼さなじみの男の子、お婆さん、近所のおじさん、声を変えてみる。
「この子とこの子がおつき合いっと。すべてがうまくいくよ。神様になった気分だわ。」楽しい世界ができあがる。
学校では、英語の先生が好きだった。だから、勉強もした。
ある日の英語の授業、先生がみんなに質問をした。
Teacher:Who is the tallest in this class?
Iku:I am.
Teacher:It is good to be tall.
Iku:I don´t think so.
Teacher:Why do you say such a thing.
Iku:Because I am not happy even if I am tall.
【さて、ここで問題です。 赤部分の英文を、和訳してください。
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先生は、この生徒は背の高いことにコンプレックスがあると、直観。
先生は生徒にいう。
世界に出れば、君はむしろ小さい方だ。英語を勉強すれば、世界で活躍できる。 世界が君を待っている。
と、いかにも先生らしいが、無責任なことをいった。
育子はいたって素直な生徒だったのでその言葉を信じ、高校でもがんばり、短大でも英語を勉強した。
しがし、現実には先生の期待にも応えられずに、英語の能力をいかすことはできなかった。 就職は、堅実な保険会社に決めた。
相変わらず素直な社員ではあったが、同時に『ゲラ』(よく笑う人)でも有名になった。 そのゲラと素直な明るい性格のおかけで、保険の制約数ものびた。
2年半、保険会社で真面目にはたらいた。
その間、趣味のアニメも順調に描いていたし、同時に声優になりたいという夢がふくらみ劇団「東俳」にも席をおいた。 本気でプロになりたかった。努力もおこたらなかった。
しかし、年齢も30歳まじかで現実を考えてみると、声優の夢は遠のいてき、 再び就職をすることになる。地元の不動産会社やエステティシャンも志すが、どれもしっくりこない。
そんな時、スポーツクラブの採用があり転職した。 スポーツクラブの受付に配属になった育子は受付仲間と友達なる。 その友達は、育子が演劇好きであることを普段の会話で知っていた。
彼女から遊びのお誘いがあった。
「うちのだんな、商演劇で俳優をやってるけど、いまは大衆演劇に出でるの。育ちゃん、演劇に興味あるよね。いっしょに「大衆演劇」観にいこう!」
「ぜひ、連れて行ってください!」 (こころの声・・でも、大衆演劇ってどんなものだろう?)
このなにげない誘いが、育子の人生を根底から変えてしまうことになるなど、誰も知る由もなかったのである。