KANGEKI2021年10月号Vol.62
木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇!第9回美川宇宙~劇団美川~(4/4)
Ⅲ
そんな、麗士を父親に持つ宇宙に聞いてみた。
「師匠であり、お父さんである総座長」とは、どう付き合っている?
宇宙は答える。
「どんな時も僕にとっては、師匠は常に師匠ですね。そしてその「師匠」は、僕にいつも言います。『生活も、人生もメリハリである。親子同志でも、メリハリが大事であり、もちろん芝居もメリハリである。』僕自身もメリハリを意識して役者人生を送っています」
Ⅳ
そんな宇宙が言う。
「今のコロナ禍で、劇団も苦しみ、お客様も不自由な思いをしている。なんとか以前の様に楽しく大衆演劇を演じ、お客様も楽しんでほしい」
宇宙が力説するのを聞いて、筆者は、宇宙がいかに大衆演劇を愛しているのかを感じた。
このコロナ禍も、もうすぐ納まるだろう。 このあがりゃんせ劇場を、去る29日にその宇宙の後ろ姿に言った。
「明けない夜はない、やまない雨もない……。あなたなら、大丈夫だ」
プロフィール
小野直人
生年月日 | 1953年 |
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1953年 滋賀県大津市生まれ。日本大学・農獣医学部卒業。
小野牧場オーナー、総合学習塾 啓数塾塾長、構成作家(テレビ、ラジオ)を経て、現在は、あがりゃんせ劇場の木戸番として、多くの大衆演劇の劇団や幅白い大衆演劇のファンと交流をもつ。「KANGEKI」で「木戸番のエッセイ」を連載中。
劇団情報
劇団美川
平成8(1996)年2月1日創立。美川麗士総座長と美川慶二座長を中心に
「新派でも歌舞伎でもない独創的な世界」を目指して活躍中。
「一致団結」をモットーに芸達者なメンバーによる活気溢れる舞台が特徴。
劇団美川公演予定
- 2024年11月松山劇場(愛媛県)
紅劇団・劇団美川合同公演