特集劇団新お芝居2本立てロング公演切狂言「悪徒の譜」

劇場:オーエス劇場取材日:2021年12月13日
特集 劇団新 お芝居2本立てロング公演 切狂言「悪徒の譜」

あらすじ

文十郎と佐次郎は盗人の兄弟分。喧嘩も強く、町衆からは「馬喰兄弟」と恐れられていた。 ある時、佐次郎の母が大阪から上京してくると言う。佐次郎が「出世して侍になった」と嘘の手紙を出してしまったのだ。文十郎は一計を案じ、留守中の武家屋敷を自分たちの「家」と偽ることに。しかしその屋敷には既に「先客」がいて…
町の片隅で寄り添い生きる2組の「きょうだい」を描いたお芝居。1幕14場。

主な配役

序幕 川端

空を見上げる佐次郎。
背後から輩が近づく
佐次郎の兄貴分・文十郎参上。
2人は「馬喰兄弟」と恐れられる盗人だった

第2場 権十郎と佐次郎の住処

佐次郎が侍になったという嘘の手紙を読んだ母が大阪から会いに来ると言う
母を喜ばせたい。 佐次郎の気持ちを汲んだ文十郎は…

第3場 畑中左膳の屋敷

畑中左膳の屋敷。
留守中に勝手に住み込む赤丸と鈴
文十郎と佐次郎は赤丸と鈴を嘘の芝居に協力させることに

第4場 出迎え

佐次郎の母おすみを出迎える文十郎と赤丸
長旅のおすみを労い赤丸に背負わせる

第5場 畑中家座敷

左膳の着物を借りて母を出迎える佐次郎
息子の出世を喜ぶおすみ

第6場 畑中家廊下

赤丸に礼を言うおすみ。
「あなたは優しい目をしている。妹のために今までようがんばりましたなあ…」
「ほんまに強いお人や。これからは1人やおまへんで。いつでも頼ってくだされや」
おすみの言葉に目を潤ませる赤丸

第7場 畑中家座敷 

佐次郎「これからは2人で助け屋になって弱い人を守ってやろうよ」

第8場 屋敷外

畑中左膳が帰宅 屋敷に侵入者がいることに気づく
家来に役人を呼びに行かせる左膳

第9場 畑中家座敷

「勝手に左膳様の紋服を。何者じゃ?!」
みんなを逃すために1人でここに残ると言う佐次郎
「必ず行く。死なねえよ、俺は強いんだ」
「最後まで世話の焼ける弟だったなあ。お袋さんと幸せになれよ」
役人たちの声が近づいてくる…

第10場 屋敷外

文十郎に説得され屋敷を出た佐次郎だったが…
そして赤丸も…

第11場 畑中家座敷

役人に囲まれる赤丸
鈴が戻ってくる

第12場 屋敷外

閉じられた屋敷の前で叫ぶおすみ

第13場 畑中家座敷

文十郎を探す佐次郎

KANGEKI的見どころ

場面転換時も幕前や花道で常に誰かが演じ続け、お芝居を途切れさせないのが新流。
続けるための工夫がいっぱいで、場面転換がむしろ楽しくなってくるのは取材班だけでしょうか??

このお芝居は狂言『悪党』のリメイク版。
留守居の武家屋敷に忍び込み一芝居打つと言う、スリリングなストーリー。
主人公は文十郎と佐次郎の義兄弟ですが、見ているうちに、もう1組のきょうだいの物語であることに気づかされます。まるでカードの裏表のように…

上演するたびに見直し、精度を高めていくと言う新座長。
このお芝居も化けていく可能性大!

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