旅芝居女優名鑑第6回花形龍魔裟斗私にとって「お嬢」はめちゃめちゃ重い呼び名です(3/6)
第3章 一匹狼に恋バナは無縁?!
演じる中で、自分らしさが出せるようになったお芝居は「一心太助」。
21歳か22歳の時、自分で初めて台本を書いたお芝居です。
もともとあったお芝居をアレンジして、自分で構成し直しました。口は悪いけど明るくて情に厚い太助が、自分で言うのもですが、自分ぽいなと思いました(笑)。お客さまの評判もよかったですね。
演じていて楽しいのは、三枚目。一番好きですね。カッコつける役が苦手です。
2019年の誕生日公演の特別狂言「女座頭市」では、今までのイメージと全く異なるビジュアルで、お客様を驚かせました。
序幕で入浴シーンがあるんですけど、これをやりたいがために総座長(龍美麗)に台本を作ってもらいました(笑)。
苦手だった女役も今は好きで、特に女役で立ち回りがするのが好きです。
母方の祖母は女剣劇の座長で、三代目(三代目南條隆)も女剣劇が好きで、やってほしいと言われました。
男だったら三枚目、女だったらシリアスな方が好きですね。強い姐御とかお市のような悲しい役。普段の自分とは違う役を演るのが楽しい。私は男にボロボロにされるような女じゃないんですよね、中身おっさんなんで(笑)。
恋愛よりも舞台!?
花形の一城風馬は、魔裟斗の大切な相方です。
花形に同時昇格したふうちゃん(一城風馬)は、9歳から劇団にいる幼馴染みで、私にとってなくてはならない存在です。相方の「あい」は「愛」なんです(笑)。
男と女のペアなので、ぶっちゃけ変な噂が立ったこともありましたが、今はないです。「ポコチャ(スマホの配信アプリ)」を見てくれた人から「お嬢に対する見方が変わった」って言われますね。(素の魔裟斗を知りたい方はぜひチェックを!)
「舞台での色気がすごいから絶対恋愛してる」って、よく言われるんですけど、ないない。あったら楽屋の中こんなんじゃない(笑)。
ポコチャでも言ってるんですけど、もう6年くらい恋愛してません。してたら私、隠さないタイプなんで(笑)。
今は舞台にしか興味なくて、そういう相手とLINEしてる暇はないし、そんな時間があったらお客さんに尽くしたいです。
小さい頃から自分の世界を楽しんでいて、そのまま大きくなったので、友達も少ないんですが、仲良くしている後輩は、片岡小梅ちゃん(本家真芸座)、錦りかちゃん(劇団錦)、彩姫ちゃん(花組むらさき)。この3人がすごく好いてくれてるのが、嬉しいです。
憧れの人は橘鈴丸座長(橘小竜丸劇団)で、可愛がってくださってます。 鈴丸座長も私も一匹狼タイプで、話が合うのかもしれません(笑)。
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