KANGEKI2021年10月号Vol.62
旅芝居女優名鑑第6回花形龍魔裟斗私にとって「お嬢」はめちゃめちゃ重い呼び名です(5/6)
第5章 「お嬢」の名にふさわしい役者に
強い覚悟を持ちながら、日々舞台に立つ。そんな魔裟斗の描く夢とは…
30歳か35歳くらい…って、先すぎるかな?(笑)、その頃には名実ともに「お嬢」になりたい。それが目標で夢です。
「どうしてお嬢なの?」「座長の妹だから?」ってよく言われるんですが、違います。 美空ひばりさんの愛称の「お嬢」なんです。つまり、ひばりさんのような人になってほしいという、兄たちの思いが込められているんです。
ひばりさんは、当時の東映映画では女性が主演をやるのが珍しい時に、何本も出ていて、さらに1本の映画の中で立ち役と女役をやっていて、立ち回りもめちゃ上手いんです。 また、言い方悪いんですが、すごく変わった形の髪型をしてるんですよ(笑)。でも、ひばりさんだから似合う。誰にも真似できません。
辛いこともたくさんあって、努力もされて、みんなから尊敬されている、ひばりさんのような人になってほしいと…。
そんなプレッシャーの「お嬢」なので、もう、めちゃめちゃ重いんです(笑)。
でも、今から5年先、10年先に「大衆演劇でお嬢といえば龍魔裟斗」と言われるようになれたらと、思っています。
「お好きな色に染まります」
役者さんが個性を大事にする時「誰の色にも染まらない」って言いますが、私は逆で「皆さんの好きな色になりましょう」と思いでやっています。
お客さんがアクセサリーをプレゼントしてくださる時「どんなのが欲しい?」と、好みを聞いてくださるんですが、私はこう答えるんです「どうぞお客様のお好みで選んでください。それにドンピシャにハマるものをお見せします」と。
そして、そこに、どれだけ自分の色を出せるかが、勝負だと思っています。
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