KANGEKI2023年3・4月合併号Vol.76

木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇!第23回寿珠里~劇団寿~後編(2/2)

劇場:スパリゾート雄琴 あがりゃんせ
木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇! 第23回 寿珠里 ~劇団寿~ 後編(2/2)

今は「寿珠里」として、お芝居に舞踊ショーにと頑張っているが、若座長や座長は樹里をどうみているのか?訊いてみた。

若座長の「寿美空」は言う。
「自分が中学の時から、珠里は寿を応援してくれていたので感謝している。あのムードメーカーとしての明るさで、舞踊ショーやお芝居だけでなく、楽屋でもその存在感で、みんなを盛り上げっていって、若座長としての僕の立場からも、彼女がいて助かっている」と。

若座長 寿美空ことぶき みそら
2022.9.29 あがりゃんせ劇場

座長の寿翔聖にも「寿珠里」について訊いてみた。

Q.「寿珠里」に座長として注文はありますか?

A.舞踊ショーはあの笑顔や明るさでいいのですが、お芝居にはもうすこし時間がかかりそう。オールマイティーに芝居ができるようにがんばってほしい。

Q.どんな女優になってほしいですか?

A.彼女は愛されキャラなので、その個性を大切に! 「継続は力なり」で、へこたれず、芸を磨いてほしい。

座長 寿翔聖ことぶき しょうせい
2022.9.29 あがりゃんせ劇場
左より 寿珠里、寿福丸 2022.9.29 あがりゃんせ劇場

さて、筆者が冒頭に言った「寿珠里」のあいさつは、一般的な女優のそれとは違って「元気いっぱいのあいさつ」である。まさにスポーツ選手のあいさつである。

2022年12月に、カタールでFIFAワールドカップがあった。 日本の代表チームは、カタールのドーハでは、いい思い出がない。1993年10月のイラク戦に敗退している。
いわゆる「ドーハの悲劇」ある。

しかし。今年のカタールは違った。 世界の強豪チームと戦い、ベスト16まで勝ち進んでいった。残念なことに悲願のベスト8にはならなかったが、日本チームの強さは世界が認識するようになった。

このニュースをかつての「サッカー少女」だった珠里も知っているに違いない。 彼女はサッカー選手から大衆演劇の女優に見事に転身を果たした。

日本の代表チームが新しい世界を求めているように、珠里にも大衆演劇の世界で新しい景色が見えることを、筆者は期待している。

寿珠里ことぶき じゅり
2022.9.29 あがりゃんせ劇場
劇団寿 2022.9.29 あがりゃんせ劇場

プロフィール

小野直人

小野直人おの なおと

生年月日 1953年

1953年 滋賀県大津市生まれ。日本大学・農獣医学部卒業。
小野牧場オーナー、総合学習塾 啓数塾塾長、構成作家(テレビ、ラジオ)を経て、現在は、あがりゃんせ劇場の木戸番として、多くの大衆演劇の劇団や幅白い大衆演劇のファンと交流をもつ。「KANGEKI」で「木戸番のエッセイ」を連載中。

劇団情報

劇団寿

2013年8月、黒潮劇団に所属していた寿翔聖が、新潟県の三条東映にて旗揚げ。「お客様に笑顔になっていただきたい」をモットーとし、少人数ながら太鼓ショーやオリジナルのお芝居などバラエティ豊かな舞台を展開し、ファンをつかむ。2017年9月に寿美空が若座長襲名。こどもたちの成長にも期待がかかる。

劇団寿公演予定

劇場情報

スパリゾート雄琴 あがりゃんせ

滋賀県大津市苗鹿3丁目9-5

スパリゾート雄琴 あがりゃんせ公演予定