読者投稿第10回宝海大空座長と”宝海イリュージョン”に魅せられて

宝海大空座長と”宝海イリュージョン”に魅せられて

文・写真:あおいさん

きっかけ

初めて宝海大空さんを知ったのは2009年のある座長大会でした。 踊りがとっても綺麗で、強く印象に残りました。

母が急死し、茫然自失で心身ともに病んでいたころ、宝海大空さんがいる宝海劇団が公演していることを知り、行きました。

初めての劇場で、宝海劇団として、初めて観る大空さん。 とっても可憐な女形に、立ち役もカッコ良くて釘付けでした。 元気パワーを貰い、もっといろんな大空さんが観たいと思いました。

津軽タント節、ヤットン節、俵星玄蕃と素晴らしい舞踊に感謝、感激の日々でした。

15歳の宝海大空さんの芸に感動

2011年4月に花形になられ、初めて挑戦された「早変わり九変化」は、約35分の舞踊ショー。 花魁から始まり、刀に、棒、扇子にお面…。 15歳の大空さんの魅力たっぷり、見所満載の舞台が衝撃でした。

ある日観た、好きなお芝居のひとつ「裸千両」。大空さんが絶妙の間合いで笑いを取るのを観て、まだ若いのにここまでできるんだ。凄い役者さんだ、ずっと見ていきたいと思いました。

2012年5月に若座長になられ、お誕生日公演では、藤娘と三味線が初披露されました。9月に観た「紀伊国屋文左衛門」と「お梶」は、約8分～6分の長い曲ですが、17歳の大空さんの舞踊に、一瞬も目が離せず感動でした。

舞台への熱い思い

2013年12月、18歳の大空さんが挑戦した新作のお芝居「新・男の花道」で、劇中劇で「櫓のお七 人形振り」をされました。

歌舞伎で観たことがありますが、大衆演劇で観ることができて感動でした。 櫓を組んでの人形振りで、劇団さんとの息が合わないとできないお芝居。 お稽古も本当に大変だったと思いますが、見事な舞台でした。

舞台への思いは半端じゃなく、熱い思いは伝わります。

2015年11月、20歳で座長襲名され、2018年8月の座長襲名三周年公演では「初蕾」が初上演されました。

山本周五郎さんの原作で、大の仲良しの劇団美山の里美こうた座長が、大空座長のために書かれた脚本です。 女形のお芝居で、子役も出演する本当に素晴らしいお芝居でした。

メンバー全員が早技！

大空座長は、刀も二刀流、扇子も2本両手でさばき、早技も凄くて、お面も感動で。観るたびに進化し、パワーアップしていて魅せられてます。

剣に扇にお面、大空座長に注目しがちですが、劇団の皆さんも群舞でお面の早技などをされています。 演出も凄くて、どこを見ていいか、”宝海イリュージョン”に毎回、ドキドキです。

ひとり座長になられ、切磋琢磨し、舞台への熱い思いで邁進されて、いろんなことに挑戦されています。

何度か観てる演目でも、大空座長さんはじめ、劇団のみなさんの、ちょっとした仕草、表情にドキッとしたり、演出が変わってたりして、次はどうなってるのかなぁと楽しみにしています。

好きなお芝居と舞踊

好きなお芝居は、たくさんあるんですが… 「桂春団治」に「花ざくろ」「初蕾」 子役が出演する「吹きだまり」は、特に好きなお芝居です。

勧進帳、藤娘、鷺娘、お面歌舞伎… 古典からK-POPまで、個人舞踊も群舞も、次は何が観られるのか楽しみです。

まだまだやりたい作品があるそうです。大空座長書下ろしの新作もあるようで、これからも楽しみにしています。

---

あおい様

寄稿ありがとうございます！
本当に、劇場で日常を忘れて過ごすうちに心が救われること、ありますよね。

15歳、17歳、18歳…その時その時の舞踊やお芝居をずっと覚えておられることから、その舞台が鮮烈だったことが偲ばれます。そういった変遷も醍醐味の1つなので、早くから出会えると楽しみも倍増ですね。

おっしゃる通り、引き出しの多さにも驚かされっぱなしです。インタビューで「同じ曲でも毎回変えている」と言われていたので、観る側はいつも新鮮な感動が得られるのだと思います。

群舞では扇さばきなど、皆さんが難しい技をさりげなくこなされて、本当にどこを観ていいか困りますね（笑）。ビシッと揃って美しく、計り知れない稽古量を感じます。

お芝居、舞踊もたくさん教えてくださってありがとうございます（メモメモ^^）

座長の頭の中に詰まったお芝居、観られる日が楽しみです！

カンゲキスタッフ