木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇!第15回初音きらら~劇団あやめ花形~後編(3/3)
令和4年の今年には、「若手リーダー」となる予定だ。 「花形」から「若手リーダー」となって、劇団の内部の仕事をするようなる。
そんなきららに筆者は訊いてみた。劇団「あやめ」は、劇団員を増やさないのか?
「私が言うのも生意気ですが、今のメンバーで、劇団の中での立場もはっきりしていて各々の仕事をしているし、すっかりチームワークができあがっているので、なかなか新しい団員が入ってきても、この輪の中に入れない雰囲気なのです。
でも、新しいメンバーが増えると、芝居に幅が出るのでいいんですが……。すべては、座長次第ですがね」
筆者は、さらにきららに将来の夢を聞いてみた。
「遠くの夢としては、二代目の姫猿之助の襲名ですね」
それは、時間がかかる。なんかいも、「バク転」をしなければならないだろうし、「バク転」以外の技も修得する必要がありそうだ。
姫猿之助座長に聞いてみた。 初音きららが、二代目の姫猿之助を襲名する、可能性はありますか? 「もちもん、ありますよ。ただ、死ぬほどけいこが必要ですがね。 しかし、彼女がそんな夢を持っていることは、私にはうれしいですね」
筆者は、劇団「あやめ」をあがりゃんせ劇場に迎えるのは、3回目である。きららの成長もみている。女優が立ち役をするのと違って、これから先の役者として、立ち役を極めることは、ほんとうに大変だと思う。
今のきららを見ていると、姫猿之助座長の11年にわたっての一つの作品だとおもう。 座長は、衣装のデザインもしている。今、劇団の中で使っている衣装も座長のデザインが多い。
さて、あやめの「きらら」をこの先、座長がどうデザインしていくのか、筆者としては、非常に楽しみである。
プロフィール
小野直人
生年月日 | 1953年 |
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1953年 滋賀県大津市生まれ。日本大学・農獣医学部卒業。
小野牧場オーナー、総合学習塾 啓数塾塾長、構成作家(テレビ、ラジオ)を経て、現在は、あがりゃんせ劇場の木戸番として、多くの大衆演劇の劇団や幅白い大衆演劇のファンと交流をもつ。「KANGEKI」で「木戸番のエッセイ」を連載中。
劇団情報
劇団あやめ
平成23年(2011)旗揚げ。 座長の姫猿之助は劇団花車の姫京之助ゴッドの次男。 劇団花車時代より、自らデザインした斬新な衣装を次々と発表するなど異色の存在として注目を集め、2008年にはパリ・オペラ座での公演を成功させるなど、大衆演劇の枠を超えて活躍。 旗揚げ後は座長のもとに集まった座員と共に研鑽を積み、独自の舞台を繰り広げ、客を魅了する。 2021年に劇団結成十周年の節目を迎える。
劇団あやめ公演予定
- 2025年1月新開地劇場(兵庫県)
【劇団夢道公演】ゲスト(1/1~23):劇団あやめ