劇団鯱密着取材!座長インタビュー
「いつ来ても良い」と言ってもらえる劇団に
ファンに人気「やの字傘」
今日はありがとうございました!まずは今日のお芝居「やの字傘」についてお聞かせいただけますか。
2年くらい前、人に教えてもらったお芝居です。だからまだそんなに回数演ってないんですよ。
ファンの方にお聞きすると、このお芝居好きと言う方が多いそうです。
そうなんですか。主演の獅子丸は自分のものにしているところがありますね。
今回、舞台袖で取材させていただきましたが、1時間の中で、場面転換も多く、早替えもありで、裏が忙しいお芝居ですね。
そうですね、特にうちは基本的に幕間は取らないようにして、場面転換も早めです。ダレないように休憩も極力短くしていますね。
休憩は極力短く。3時間きっちりお見せしたい
確かに、公演全体でも休憩時間を短くされてますね。
はい。鈴成り座は棟梁がいてくれるので、ミニショー終わって2~3分でお芝居の幕を開けられます。3時間公演のところを大体10分オーバーくらいでやって、公演内容自体が実質3時間くらいになるようにしています。
3時間しっかり観ていただけるようにされているのですね。
休憩を減らさないと時間が足りないんですよ。今だって僕は個人舞踊2本しか踊れてないし。お芝居終わって3部のショーまではさすがに10分ちょっと休憩取りますけど、芝居が延びたら8分くらいで幕を開けます。
お芝居も舞踊ショーも、舞台裏はかなり忙しそうでしたが、みなさんの動きがスムーズで、連携プレーができておられると感じました。
うちは全員、誰が何をやるか意識できています。ここまでにするのに時間がかかりました。僕からは何も指示しないですね。言われなくても気づいて動く。まあ月2回くらいは『急げ!』って言うかな(笑)
芝居のレパートリーは100本以上
今日の座長の役はニヒルな敵役でした。過去のインタビューでも悪役がお好きとのことでしたが。
基本やれと言われたらどんな役でもやりますが、好きかどうかで言えば、綺麗じゃない悪い役が好きですね。喜劇もやりますが、うちは硬めのお芝居が得意です。
お芝居の数はどれくらいでしょうか。
えー、今何本だろ?100本か、それ以上は確実にあるはずです。自分の中でも出てこないお芝居もあるし、礼斗や翔也が持っているお芝居を引っ張り出したら、もっと増えると思います。
新作にも意欲的に取り組んでおられますね。
同じ土地に3ヶ月以上いると、あまりやってないお芝居をちょいちょい引っ張り出してやるようにしてますね。今のところ(お芝居のレパートリーには)困らないかな。
お芝居や舞踊ショーは、座長と若座長で決められるのでしょうか。
そうですね。舞踊ショーのラスト舞踊と中舞踊の演目も100本くらいあると思います。
うちは暗い芝居をやりがちなんで、舞踊ショーは出来るだけ明るく。『芝居は良かった・ショーは楽しかった』と言ってもらえるようにと言っています。
「いつ来てもハズレがない」と言われるように
いつ来ても良い感じを作りたいんです。『この日はこのお芝居だから行こう』とかじゃなくて、いつ行っても良い感じを作りたい。だから本当はお外題の宣伝をしたくないくらいですが、要望があるので出してます。
理想は宣伝もせず、『いつ行ってもハズレがないから』と、お客さんが思ってくれるようになるまで頑張ろうと思ってます。
劇団として目指しておられることは?
僕が座長をやってるうちは、特に何かしたいとかはあまりなくて、大衆演劇の劇団のうち12番目あたりの劇団になれたら良いと思ってます。1年12ヶ月ですから、上から12番までに入っていたら、好きなところに乗れるんじゃないかなという考え方です。
既に実現されているのでは…
いやいや、まだまだでしょう。今、やっている最中です。何か新しいことをするより、今の劇団としてどう固めていくかを考えているところです。
個人のファンから劇団のファンになってもらいたい
座長の思う理想と現実のギャップや、悩みはどんなことでしょうか。
贅沢な悩みかもしれませんが、うちはメンバーのポテンシャルが高いと思います。それがうまくぶつかり合ってくれたらいいなと。個人のファンから劇団のファンになってもらいたいので、メンバーたちもそうなるように考えてほしいです。
あとは、どの劇団とも同じで、コロナですね~。早くマスク取って日常に戻って。でも、日常に戻っても、お客さんは今までの6割しかいません。それを劇団同士で取り合ってもしょうがないですよね。大衆演劇の地位が向上して、観劇人口を増やさないといけないと思います。
(ここで蛇々丸さんが楽屋に戻ってきて)
コメント撮り、終わった?(DVDに収録する自己紹介動画を撮影させてもらっておりました)
はい。でも『自分のここを見てほしい!』って設問があったんですけど、なんて言っていいかわからなくて…。
あー、うちの劇団にその質問は無理だよなあ。なんせシャイ集団だから(笑)。
KANGEKIメモ
劇団鯱さんの公演はテンポが良い。上のインタビューの中で語られているように、休憩時間を出来るだけ短くしているとのことで、ミニショーが終わって数分後に幕が開いて…と、サクサク進行。
お芝居後、舞台口上があり、怪我で舞台休演中の蛇々丸さんのトークタイム。それが終わればすぐに舞踊ショー開幕。なので観る方も忙しい(笑)。楽しく充実した忙しさ、なのです。
プロフィール
劇団鯱座長朝陽政次
生年月日 | 1973年1月13日 |
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出身地 | 神奈川県 |
身長 | 173cm |
体重 | 73kg |
足のサイズ | 26.5cm |
血液型 | B型! |
初舞台の年齢 | 16歳 |
役者になったきっかけ | 偶然(ほぼ騙し) |
好きな食べ物 | 肉 |
嫌いな食べ物 | きゅうり、セロリ(食い物じゃねぇ) |
好きな色 | 白、紫 |
香水 | スカルプチャー |
趣味 | アウトドア全般 |
ニックネーム | てっちゃん |
劇団情報
劇団鯱
座長・朝陽政次は16歳で初舞台を踏み、葵一門の葵好次郎のもとで研鑽を積む。 股旅、剣戟はもちろん「喧嘩屋五郎兵衛」「恋の伝八時雨笠」などの男気あふれる芝居を得意とする。 2016年長男 兜 獅子丸が若座長となり、ベテランと若手のタッグでますますエネルギッシュな舞台を展開している。