かんげき2024年9・10月号Vol.91

木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇!第31回恋月彩圭編後編

木戸番のエッセイ・天職先は大衆演劇! 第31回 恋月彩圭編 後編

大衆演劇の劇団の多くは座長とその家族で構成されている。 役者の家系に生まれた、いわゆる幕内の人間が過半数を占める中、一般家庭から役者になった人もいる。 何がきっかけでこの世界と出会い、日々過ごしているのだろうか? 劇場オープンから8年、木戸番兼劇団のお世話係を務めてきた著者が綴る実録エッセイ。 第31回は恋月彩圭編・後編です!(前編はこちらからお読みいただけます)

2004年。心機一転、「月宮香恋」を「恋月愛輝(あきら)」に改名する。 上背が170センチあるので、世間的に男にも女にもつかっているアキラという名をつけて、踊り手本人が男女の区別がつきにくい、ミステリアスなものを演出したかったのである。

その狙いは当たり、今まで築いてきた人脈で、恋月愛輝は大物歌手とのコラボなど、いろんなステージや舞台につかってもらった。時には、ナイトクラブのテーブルとテーブルの間の通路など狭い所で踊ったこともあったが、イベントには事欠かなった。

そして、気つけば、10年が経っていた。

愛輝の踊り子生活は、ますますグレードアップし、2016年には、男女二人組で「劇団美翔舞踊一座」をつくって活動。 東京のテレビ局に偶然取り上げられたり、調子も上向いて来たが、個人的な事情もあって、コンビを解消。

同じ年、この状況を響ファミリーの座長に相談。 姓名判断を勧められて、恋月愛輝を恋月彩圭に改名した。

人には誰でも人生の分岐点がある。後になって気がつくことが多いのだが、彩圭には、2019年がその分岐点であった。

2019年は、2月3月・優木劇団、7月8月・劇団寿、9月・劇団つばさ、10月・劇団丞弥とたくさんの劇団とご縁をいただいている。将来を決定付ける出会いの連続であった。

しかし彩圭自身はそれを知らず、日々を必死で生きるだけであった。

恋月彩圭こいづき さいか
2022.8.30 瓢箪山劇場
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