舞台裏の匠たち第6回難波の舞台化粧品専門店「美壽屋」（5/6）

名前は私が勝手につけています（笑）。

ここにある商品は、全部オリジナルです。柄については、家内がほとんど考えています。

美術は好きでしたけど、特別学んだということはないですね。

最近、美壽屋で売りにしているのが、蒔絵の『ぼかし』です。グラデーションですね。それもこの人（美保さん）が、グラテーションのかんざしができないかと言ったのがきっかけです。

そこで技術のある蒔絵師に相談して、ふわ～っとした感じの、かんざしができるようになりました。できるだけ美壽屋で作ると言いつつ、全部を自分たちの手で作れるわけではないので、職人さんも大事にしています。

漆塗りなので色も長い間変わらないですし、蒔絵師さんは、すごく良い仕事をして下さっています。お椀やお重の蒔絵の柄を見ると、こんな柄も良いなぁ、この柄はどこかに使えないかなぁ、といつも思います。

外食に行っても、器見て『これ、かんざしの蒔絵にいけるなぁ』って言ったり（笑）。家内の頭には、常にかんざしの柄のことがあるみたいです。それから、かんざしは常に少量生産にしています。

ある座長さんにうちのかんざしを買っていただいたら、他の劇団さんと同じ絵柄が被らないようにです。だから常に新しい柄を創作しています。

そうすると、『新しい柄ですよ、これはまだどなたも持っておられませんよ』とお薦めできるので。難しい言葉で言ったら、それがうちの企業努力ということですね。

今は LINE があるので、画像を見ていただければ一目瞭然です。昔は電話しかなくて、口で説明したり、写真のコピーを取って送ったりしていました。

もちろん100パーセントはできませんけど、出来る限りやらせていただきます。