KANGEKI2022年5月号Vol.68

特集桐龍座恋川劇団3月公演密着取材!お芝居「親子情話」

劇場:梅田呉服座取材日:2022年3月11日
特集 桐龍座恋川劇団 3月公演密着取材! お芝居「親子情話」

今回の密着取材は、大阪梅田呉服座、3月公演の桐龍座恋川劇団。

取材日は3部構成で、お芝居から幕開き。第2部舞踊ショー、第3部は特選舞踊「ジオラマ舞台『梅川忠兵衛』」という特別構成でした。
舞台模様と併せて、舞台袖の奮闘ぶりもたっぷりお届けします!

「親子情話」あらすじ

髪結屋の辰三は、金兵衛にそそのかされて蔵破りをする。しかし盗んだ金は金兵衛が全て持ち逃げ、罪だけを着せられてしまう。
妻を亡くし、乳飲み子のおみよを抱え途方に暮れる辰三。親子心中を図ろうとするところを、口入れ屋のおしんに助けられ、自首することに…
何もかも失った男がたった1人の娘のためにしてやれることとは。父と娘の情愛を描いた1幕3場の時代人情劇です。  

配役

序幕 蔵破りの後

金兵衛にそそのかされて蔵破りの片棒を担いだ辰三。
金は奪われ罪だけを着せられてしまう
絶望した辰三は乳飲み子のおみよと親子心中を図ろうとする
口入れ屋のおしんが止め、自分がおみよを預かるから辰三に自首するように諭す

第2場 おしんのうどん屋

20年後。おしんは口入れ屋からうどん屋に商売を変えて、辰三の娘・おみよを育てていた。
明日はおみよと目明かしの友吉の祝言。仲睦まじい2人
刑期明けの罪人を乗せた船が着くと聞いたおしん。友吉におみよの父親のことを話す
三宅島から帰った辰三。
友吉にここに来るように言われてやって来る
おみよが初めて出汁を取ったうどんを食す辰三
おみよ「明日、祝言なの」
辰三「そいつはめでてえ。俺は少しは目利きが出来るんだ。ちょっと触ってみてもいいかい」
「立派なにわとりだなあ」
「おじさん。これ、鶴よ(笑)」
辰三がおしんに礼を言う
「真っ直ぐな、いい子に育ててくださった…」
金兵衛が借金の取り立てに来る。おしんが待って欲しいと頼むも聞き入れない
借金のかたに打掛を奪う金兵衛
打掛を取り戻しに行く辰三
20年前の恨みを秘めて…

第3場 仇討ち

金兵衛に打掛を返して欲しいと頼む辰三。しかし金兵衛は応じない
金兵衛の子分と斬り合いになる
銃を向ける金兵衛。間一髪で刺し殺す辰三

大詰め おしんのうどん屋

金兵衛殺しの下手人を捕らえるため明日の祝言を延ばしたいと言う友吉
金兵衛殺しを自首する辰三
おみよに本当のことを話そうとするおしんを止める

カンゲキ的見どころ

親子の情愛を描いた大衆演劇らしい1本です。昨年10月の都若丸劇団との合同公演で共演したお芝居を、都若丸座長の承諾を得て、劇団単独でも演じるようになったそう。「大好きな1本です」と二代目恋川純座長。
幕切れ、辰三がおみよに「あること」をします。これが辰三が娘にしてやれるたった1つの贈り物なのではと思いました。ぜひ舞台で!

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