大衆演劇にまつわるあれこれの言葉。
お芝居の中に出てくる言葉から、大衆演劇独特の言葉まで、知っておくと大衆演劇がより楽しめます。このページでは「か」行の用語について解説します。演目や題材については演目豆事典をご参照ください。
か
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街道かいどう江戸時代における重要な交通路のことです。江戸時代にはいわゆる五街道の整備が進み、旅をすることもやや容易になりました。ただし、街道には関所が設けられており、許可を得ずに旅行することは大きな罪でした。 五街道以外の主要な道は「脇往還」、「脇街道」や「脇道」と呼ばれました。
主な街道
- 東海道(とうかいどう)
- 江戸の日本橋から京都の三条大橋までをつなぎ、東海地方を通る街道。箱根山や大井川など、いくつもの難所があります。しかし最も人の往来が多い街道で、五街道の筆頭とされます。
- 中山道(なかせんどう)
- 江戸の日本橋から草津宿(現在の滋賀県草津市)までをつなぎ、上野(群馬県)、信濃(長野県)、美濃(岐阜県)を通る街道。木曾路や木曽街道などとも呼ばれる五街道の一つです。
- 奥州街道(おうしゅうかいどう)
- 江戸の日本橋から、下総(茨城県)、下野(栃木県)を通る街道で、白河宿(現在の福島県白河市)までをつなぐ街道で、一説には陸奥の三厩(みんまや、現在の青森県東津軽郡外ヶ浜町)まで繋がると言われます。松尾芭蕉が奥の細道をたどったことでも知られる五街道の一つです。
- 日光街道(にっこうかいどう)
- 五街道の一つで、江戸から奥州街道と同じルートで宇都宮(現在の栃木県宇都宮市)まで向かい、そこから日光(現在の栃木県日光市)までをつなぐ街道です。日光には江戸幕府を開いた徳川家康を祀る日光東照宮があり、幕府から庶民まで多くの参詣者を集めています。
- 甲州街道(こうしゅうかいどう)
- 五街道の一つで、江戸の日本橋から内藤新宿(現在の東京都新宿区)、八王子(現在の東京都八王子市)、甲府(現在の山梨県甲府市)を経て、諏訪(現在の長野県諏訪市)で中山道に合流する街道です。現在は「旧甲州街道」と呼ばれているルートです。
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開帳場かいちょうば山道などを表現するため、舞台上に設置されたスロープ、斜面のこと。 昔はお寺がご本尊を公開するとき(ご開帳)に、参詣者がけがをしないように段差をなくしたことからこの名前ができたと言われています。 また「八百屋」とも言います。八百屋の店先は商品を見せるためにスロープ状になっていることから来た名前です。
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書割かきわり大道具の一つで、絵で描いた背景の事です。木製の枠に紙をはったものや、幕に描いた背景幕などもあります。
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楽屋がくや
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陰腹かげばらあらかじめ腹を切っておき、さらしなどで固定するすることで、周囲に悟らせまいとすること。 腹を切るのですから当然命を捨てての行動である上、ものすごい苦痛を伴います。二つの義理の板挟みとなった者が、一方への義理を破らなければならない際に行います。
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駕篭かご人が座るスペースがついた台を一本の棒でつるし、二人以上の人間がかついで運ぶ乗り物。 江戸時代にはポピュラーな交通手段で、駕篭をかつぐ者を駕篭かき人足(かごかきにんそく)といいます。
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貸元かしもとやくざの親分。もともとは賭場の親分のことで、お金が足りなくなった客に貸し出す事からそう呼ばれています。
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敵役かたきやく主役の敵となる、悪役の事。憎たらしい演技をすればするほど、お客さんが主役に感情移入することができるという、大切な役でもあります。
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刀かたな時代物に欠かせない小道具です。大きさや形状から以下のような区別があります。
- 脇差(わきざし)
- 小刀ともいいます。刃の長さが40センチメートル以下なら小脇差、40から54.5センチメートル以内なら中脇差、それ以上を長脇差と言います。この刀は武士以外の庶民も持つことができたため、侠客は長脇差と称して打刀で武装していました。
- 打刀(うちがたな)
- 大刀ともいいます。室町時代以降、刀と言えばこれを指しました。刃の長さが2尺3寸3分(約70.6センチメートル)以下の物を指します。武士はこの打刀と脇差の二本を腰に差していたため二本差し(にほんざし)とも呼ばれます。
- 短刀(たんとう)
- 匕首(あいくち、合口とも表記)とも呼ばれる、ナイフ程度の短い携帯用の刀で、刃の長さが1尺(約30センチメートル)以下の物を指します。侠客が武装する時には「ドス」という名で呼ばれることもあり、他の刀を「長ドス」と呼ぶこともあります。また武士が切腹に使うのはこの短刀です。女中などの女性が持つ短刀は懐剣(かいけん)とも言います。
- 太刀(たち)
- 刃の長さが60センチメートル以上のものを指します。大衆演劇の舞台で太刀と言った場合にはだいたい打刀を指します。厳密には異なりますが、判別は非常に困難です。短い物は小太刀と呼ばれますが、脇差しとの違いは曖昧です。
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刀箱かたなばこ小道具の刀を入れて運ぶための箱。「ドス箱」ともいいます。
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家中かちゅう大名や旗本の家臣団を指します。たとえば松平和泉守の家来であれば、松平和泉守家中といった言い方をします。
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鬘かつら
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歌舞伎かぶき
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上方かみがた江戸から見て、京都や大阪(江戸時代では大坂と書く)をさす言葉です。
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上手・下手かみて・しもて客席から舞台を見たとき、右側となる方向を上手、左側を下手といいます。上手は東方、下手は西方とも言います。 一般的に上手の方が格上とされているので、立場や身分が上の役が上手に立つ事が多いです。
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歌謡ショーかようしょー公演で行われるショーの中でも、歌をメインにしたものを歌謡ショーと言います。 歌うのは座長が中心の事もあれば、座員も歌う事もあります。曲は昔ながらの演歌から最新のJPOPまで、様々です。中にはプロ歌手として自分の曲を発売している方もいます。「夢芝居」のように大ヒットとなったものもあります。
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かぶりつきかぶりつき舞台や役者に非常に近づいて観ることができる席のことです。通常の劇場では最前列となりますが、大衆演劇のショーでは全ての席がかぶりつきとなることもあります。
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貨幣かへいここでは大衆演劇の芝居の舞台となる、江戸時代の貨幣について説明します。
- 銭
- 庶民が最も用いていたのが銭です。銅銭と呼ばれる丸く、四角い穴があいているもので、銭形平次の投げ銭で有名な「寛永通宝」等が知られています。一枚=一文が基本です。九六銭という風習があり、96文で100文としてあつかわれました。
- 銀
- 大坂で最もよく使われていた貨幣が銀です。銀については重さで価値判断が行われ、丁銀のように切って、はかりで量って計算するというものもあります。匁(もんめ)は重さの単位で、1,000分の1貫、つまり3.75グラム程度です。銀一枚という時には、43匁と同じとなります。
- 金
- 小判や大判などが知られる通貨です。最高額は両(りょう)が単位とされています。この下に分(ぶ)という単位があり、4分で一両となります。分の下には朱(しゅ)という単位があり、4朱で一分、16朱で一両となります。また銭4貫文で一両、銀60匁で一両となる規定はありましたが、実際には変動相場制でした。
- 体感としての価値
- 一般に十両盗めば首が飛ぶといわれ、庶民が一般生活で両の単位を使う事はほとんどありませんでした。武家に仕えた奉公人の女性の年給が2〜3両程度、料理人が一日300文程度の給金だったといいます。物価も一概には言えませんが、大衆演劇にもよく登場する屋台のそばは一杯16文、だんご一本4文、傘が一本250文程度でした。
- 現在の貨幣価値との比較
- 江戸時代は260年にわたったため、現在の物価と単純に比較するのは困難です。お米の値段を基準として換算すると、江戸時代初期ごろには一両10万円程度、中期には4万〜8万程度、幕末には4千円から1万円程度となります。
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川町かわまち川のある町並みをあらわした場のことです。風情のある風景でもある事から、芝居でよく使われます。
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貫かん
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勘当かんどう親が、子供との縁を切り、家から追放すること。江戸時代においては、子は家に属していることが当たり前でしたので、勘当は心情的なものだけではなく、社会的にも厳しい処分となります。町人の場合は奉行所、武士の場合には主君や対応する役所に届け出るという、公的な処分でした。勘当された者は、人別帳にふせんとなる札を貼られ、勘当中であることが示されました。「札付きの悪」という言葉はここからきています。勘当を解く場合にも役所に届け出ますが、この時に人別帳の勘当の記載を消すことから「帳消し」という言葉が生まれました。役所に届け出ない口頭などだけの勘当は、内証勘当と言います。
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関西大衆演劇親交会かんさいたいしゅうえんげきしんこうかい関西を基盤とする大衆演劇劇団が所属する団体。近年では岡山県岡山市の映画館を改装し、大衆演劇専門劇場後楽座としてよみがえらせるなどの活動を行っています。
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看板役者かんばんやくしゃ劇団の顔となる、最も人気のある役者の事です。
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柝き直方体に削った二つの木片で、打ち合わせると高い音が出るもので、拍子木とも言います。大衆演劇では、開演の際に幕が上がるときや終焉時に連続して鳴らす「きざみ」、役者が決め台詞を言うときなどにちょんとならす等の方法があります。 舞台転換を予告する「一の柝」「二の柝」は、現代劇の劇場では1ベルや2ベルというもので行われています。
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消え物きえもの芝居の小道具で使う、食べ物や飲み物のことです。飲食すると無くなる=消えるので消え物と言います。
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煙管きせるタバコをすうための道具で、金属製の火皿と吸口、それをつなぐ竹製の羅宇(らう)でできています。火皿に刻んだタバコの葉をつめ、煙草盆(たばこぼん)の炭火で火をつけます。吸い終わったら煙草盆等を軽くたたいて灰を捨てます。江戸時代には工芸品となるような立派な細工をした煙管も生まれました。
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気っ張りきっぱり見得と同じ意味です。
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木戸きど
- 劇場の入り口を指します。入場料を木戸銭(きどせん)、係の人を木戸番(きどばん)とも言います。
- 大道具のひとつ。木でできた戸をあらわしています。
- 江戸時代、江戸などの大都市で町を区切っていた扉。不審者の通行を防ぐため、夜になると木戸は閉ざされ、自由な通行ができなくなりました。この番をする人も木戸番と言います。
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着流しきながし
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九州演劇協会きゅうしゅうえんげききょうかい二代目片岡長次郎さんの呼びかけで結成された、九州を基盤とする大衆演劇劇団が所属する団体。大衆演劇浮上のきっかけとなった全国座長大会の呼びかけ役でもありました。旧名・九州演劇同志会。
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侠客きょうかく/きょうきゃく
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狂言きょうげん
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凶状/兇状きょうじょう凶悪な犯罪の事です。犯罪の前科があるものは凶状持ちといい、凶状持ちが追っ手から逃れる旅を凶状旅と言います。
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脇息きょうそく座る左側に置く、ひじを乗せるための台です。殿様など身分の高い人が使います。
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義理ぎり人間関係に置いて、守らなければならない筋道のことです。義理はその人が属する世界において、通さねばならない掟のようなものです。 身分制度の厳しい江戸時代、さらに侠客の世界では、これを欠くことは人間としての存在を否定されることにもなりかねません。しかし一方で、この義理が自分の感情や他者の感情といった人情、または別の義理と反することもあります。この狭間で主人公達が悩むことでドラマが生まれるのです。
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切支丹きりしたんキリスト教信者のこと。江戸時代では禁止されており、踏み絵などで厳しく取り締まられました。一部では隠れ切支丹となって、マリア観音などのカモフラージュで信仰を守り続けたと言います。
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切り餅/切餅きりもち一分銀を100枚、紙に包んで直方体形にし、封印したものです。
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薬くすり江戸時代には多くの薬は紙で包んだ粉薬として処方されました。この包み紙が白なら薬、赤なら毒薬であるという演出の決まりもあります。
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国定忠治/国定忠次くにさだちゅうじ江戸時代後期、上野国(現在の群馬県)周辺を地盤とした侠客。天保の大飢饉の際に庶民を救助するなど数々の逸話があり、新国劇などでも題材とされました。特に幕府によって捕縛される直前の赤城山での子分との別れのシーンは有名です。
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廓くるわ遊女屋、揚屋などが集まった地域。遊郭。
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黒幕くろまく真っ黒な幕。夜の舞台などの演出に使われます。 ホリゾント幕の前の幕は、大黒幕(おおぐろまく)と呼ばれます。
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景けい芝居の場と同じで、一つのシーン、場面のこと。「第三景」という言い方をします。
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稽古けいこ大衆演劇において、稽古の時間はほとんどありません。毎日演目が変わるので、一本一本に多くの時間を割けないのです。そのため口立て稽古という特殊な稽古が行われています。 これは座長が設定や役柄、セリフや仕草にいたるまでを口頭で指示し、役者はそれをメモに取るだけというものです。これだけできちんと芝居が成立するというのですから驚きです。日々の公演の積み重ねで所作や演技が身にしみついているからこそできる業なのでしょう。
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芸者げいしゃ料亭などの宴席で、三味線や舞踊などの芸をして、場を盛り上げる女性のことです。京都の舞妓さんや芸妓さんのような存在です。江戸時代では新橋芸者や深川の辰巳芸者等が有名です。
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劇場げきじょう芝居や公演が行われる、常設の施設の事。大衆演劇専門の劇場の座席数は、最高でも200席ほどです。全国にある大衆演劇が定期的に上演されている劇場については、劇場事典をご覧下さい。
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化粧けしょう大衆演劇における舞台での化粧は、役者さんが自ら行います。まず、羽二重を頭に締め、白粉で下地をつくります。そうしてから目、眉、鼻、唇と描いていき、化粧は完了します。 早い方に鳴るとわずか数分でこの行程をすませてしまいます。
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化粧前けしょうまえ
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外題げだい芝居の題名を指します。本来は上方での用語です。
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劇団げきだん芝居や公演を行う、役者の組織のこと。大衆演劇の劇団については、劇団事典をご覧下さい。
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劇団幕げきだんまく舞台の両端にかけられる、劇団の名前などが入った幕。垂れ下がっているので懸垂幕(けんすいまく)とも呼ばれ、その形状から、ふんどし幕とも呼ばれます。ひいきのお客さんからの贈り幕である事が多いです。
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蹴込みけこみ側面部分が垂直で、紙で貼って作る大道具を指します。屋台の前面、階段の横の部分を指します。
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蹴破りけやぶり壁等のセットを、簡単に破れるように、壁の絵を描いた紙を木枠に張ったものです。蹴って破れるので蹴破りと言います。
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ケレン/外連けれん
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剣戟/剣劇けんげき
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健康ランドけんこうらんど
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元服げんぷく昔の成人の儀式で、男性の場合は前髪を落とし、名前も幼名から変えます。数え年で12歳から16歳位に行われるのが普通でした。女性の場合は未婚の場合に行われます。お歯黒をひき、地味な着物に着替え、髪型を変えるという儀式が行われることもあります。
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公演こうえん
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公儀こうぎ政治を司る公権力の意味で、江戸時代の庶民が言った場合には江戸幕府自体や将軍を指します。ご公儀(ごこうぎ)といった言い方をします。地方の藩では藩の組織自体を指すこともあります。
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口上挨拶こうじょうあいさつ幕間に行われる劇団側からの挨拶。劇団からの告知や、物販なども行われます。
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講談こうだん江戸時代中期頃に成立した、講談師と呼ばれる者が、一人でストーリーを語る形の演芸です。歴史にちなんだ題材を扱う事も多く、人気の演目は大衆演劇の演目としても取り入れられています。
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香盤こうばん升目状に線が引かれた、表の事を指します。香盤表。香道で使用する、香の種類を当てる時に投票する板が由来です。以下のようなものが香盤と呼ばれます。
- ショーの演目や、芝居での配役を記したもの。
- 劇場の座席表
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コウメ太夫こうめだゆう元芸名小梅大夫というお笑い芸人。白塗りの女形姿で、「チクショー」と叫ぶ芸で一時人気を得ました。ムーンウォークも得意です。かつては梅沢富美男劇団に属するなど、大衆演劇役者経験がありました。
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御家人ごけにん江戸幕府直属の家臣の中でも、比較的下級の武士で、将軍にお目通りできない武士を指します。あまり豊かな生活を送っていた訳ではありませんので、芝居に登場する御家人はたいてい貧乏御家人です。しかし家柄には価値があったので、裕福な商人などが「御家人株」を買って御家人の身分を手に入れることも行われていました。
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杮落としこけらおとし新しい劇場ができて、最初に行われる公演の事です。杮(こけら)とは、木造建築を立てる際に出る木くずの事です。字は似ていますが、柿落とし(かきおとし)ではありません。
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小粒こつぶ小銭のことを言います。
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小道具こどうぐ演劇用語での小道具は、役者が手に持って扱えるものを指します。映画やテレビでは家具なども小道具にふくまれますが、大衆演劇では基本的に大道具扱いとなります。
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小判こばん江戸時代の金貨で、平べったい形をしたものです。貨幣価値では一両に相当します。小判をかむ芝居がありますが、これは中にまで金が使われているかどうか確かめるためです。金はとても柔らかい素材なのでこういうことが可能ですが、現代の貨幣ではやめておきましょう。
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小間物屋こまものや日用品や化粧品など、細々したものを扱う店のことです。主に女性と取引をすることが多いので、店員には男前で口が上手い人が多かったと言われています。
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小屋こや劇場のことです。
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子役こやくこどもの役者のこと。大衆演劇劇団は家族経営が多いため、0歳から舞台に出演することも珍しくありません。現在の座長の多くは子役時代を経て座長となっており、10代でも相当のキャリアを持つことになります。労働基準法の規定により、かつては午後8時までしか舞台に出られませんでしたが、2005年以降は午後9時まで出演できるようになりました。
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暦こよみここでは江戸時代のカレンダーや暦法について説明します。
暦のしくみ
江戸時代、というより日本に暦制度ができてからの暦は、中国から伝わった太陰太陽暦(たいいんたいようれき)がもとになっています。これは月の満ち欠けを基準として一ヶ月を30日もしくは29日とし、一年を354日として計算します。しかしこの方法では実際の一年からずれてしまいますので、19年に7回閏月(うるうづき)を設けて、一年を13ヶ月とします。閏月は前の月に閏の字をつけて、閏5月などと表現しますが、どこに閏月を入れるかの規則はありませんでした。江戸時代の暦
太陰太陽暦にも「グレゴリオ暦」や「ユリウス暦」のような暦があります。江戸時代の初めには、862年以来使われていた宣明歴が公式な暦でしたが、なにしろ作られてからだいぶたった暦ですので、実際の物とズレが大きくなっていました。このため関東では三島大社の三島暦、関西では伊勢神宮の伊勢暦が利用されています。 1685年(貞享2年)には渋川春海によって、800年ぶりに貞享暦が作成されました。その後1755年(宝暦5年)に宝暦暦、1798年(寛政10年)に寛政暦、1824年(天保15年)に天保暦が導入され、1873年(明治6年)のグレゴリオ暦導入まで続きました。現在「旧暦」という場合には天保暦を元にした暦を指します。季節の表現
一年のうち、節目となる二十四の日をあらわす二十四節気という言葉があります。立春や冬至、大寒や啓蟄(けいちつ)などです。また二十四節気を三つずつ分けた七十二候という表現もあります。季節の始まりである立春・立夏・立秋・立冬の前18日間ほどは土用といいます。月日の表現
月名をあらわすのに、睦月(1月)・如月(2月)・弥生(3月)・卯月(4月)・皐月(5月)・水無月(6月)・文月(7月)・葉月(8月)・長月(9月)・神無月(10月)・霜月(11月)・師走(12月)といった現在でも使われる表現があります。 また、干支もよく使われます。月名に順に干支の名前がつけられ、また年や日には、昔の一定の日を基準として十干十二支(じっかんじゅうにし)の60種類の名前が順番に付けられています。「丙午(ひのえうま)」の年と言ったりするような表現です。また十二支だけで呼ぶこともあり、土用のさなかにある「丑の日」、11月の「三の酉」などという用に使われます。 -
権現様ごんげんさま/ごんけんさま本来は権現と呼ばれる神を指す言葉ですが、江戸時代に単に権現様と言えば、東照大権現、すなわち江戸幕府の初代将軍である徳川家康を指します。家康は死後神とされ、日光東照宮、九能山東照宮等各地の東照宮で祀られています。
参考文献
- 「芝居通信別冊 大衆演劇座長名鑑2003」オフィス・ネコ(2003年)
- ぴあ伝統芸能入門シリーズ「大衆演劇お作法」ぴあ(2004年)
- 宮本真希「大衆演劇における『お花』とは何か―見せることの意味―」(2013年)
- 鵜飼正樹「大衆演劇はグローバル化の時代をどう生き抜くか?」(2011年)
- 「江戸時代の1両は今のいくら?―昔のお金の現在価値― 」 日本銀行金融研究所貨幣博物館