劇団菊太郎総座長梅沢菊太郎インタビュー

劇団を立ち上げた時は、鬘1つない、とにかく底辺から始めた劇団でした。当時のインタビューで「大衆演劇のトップになりたい」とか言ってるんですが、そんな大きな夢と根拠のない自信はいったいどこから出てきたのか…（笑）。でも後悔はないですね。15年、一生懸命生きてきた！って思います。

はじめはがむしゃらにやってたんです。でもある時、ふと振り返って座員を見た時かな。あー、この子たちがずっとついてきてくれたんだ。大事な青春の時期を劇団菊太郎に費やしてくれたんだ…って、しみじみ感謝しました。

立ち上げ時のメンバーも、その前からの弟子もいます。いろいろなことがあったけど、ついてきてくれた。親よりも僕と一緒にいる方が長いんで。感謝しかないです。

これから先もみんなで歩んでいきたいという思いが大きいです。20年、30年と続いていけるように頑張ります。

はい。今年2月の慎太郎と光太郎の誕生日公演で出したものです。

手がけた理由は、劇団としていろんなメニューを持った番組を提供したかったというところからですね。

股旅も好きだし、喜劇や侍ものも好きですが、うちが今やっていないものはなんだろうって考えて、なかったのが戦争もの。難しいテーマですが、慎太郎くんにも作って欲しいと頼まれたんで、1本やってみようと。

僕が（主演を）やりたかったんですが、もう大人なんでね（笑）、僕自身がお母さん役で出るくらいですから。こどもたちが想像以上によくやってくれたんじゃないかなと思います！

仲間意識が強いこと。これはもうどの劇団にも負けないと思ってます。例えばお芝居中のトラブルが起きたら、一斉に全員が動いて、一斉にやり通す。その団結力がすごい。お芝居にも舞踊にももちろん力を入れていてますけど、うちがどんな劇団かと言われたら、真っ先にあげるのが『団結力』ですね！

さっきと重なりますが、メンバー全員が仲がいいことかな。道矢くんもこども達と一緒に育っているんで、喧嘩や言い合いもしない。仲がいいところを舞台で見ていただけて、また仲がいいからこそ、いろんな意見を出し合えて、それが舞台に生きると思ってます。

やっぱりこどもたちですね。慎太郎と光太郎が若座長になり、これからの劇団をたくさんの人に見ていただいて存在を知ってもらって、もっともっと羽ばたいてもらいたい。それが僕の夢かな。

僕、自分の夢ってないんですよ。こどもたちが立派に舞台を務めて、送り出しでお客様と笑顔で話しているのを見たり、こども達の成長を見守りたいですね。