KANGEKI2022年7月号Vol.70
劇団美山祝!四代目誕生里美こうた座長襲名・誕生日特別公演特別狂言「中村仲蔵」
里美版「中村仲蔵」
あらすじ
中村仲蔵は6歳より歌舞伎役者・三代目中村伝九郎の弟子入り。名家の出ではないが、芸の才能があり、誰よりも稽古熱心で、座頭からも一目置かれるようになる。しかし、仲蔵を妬む京之介の策略によって、大事な場面で失敗してしまい、伝九郎に破門にされてしまう。
一度は役者を諦める仲蔵だったが、妻のお春に励まされ、再び中村座の門を叩く。伝九郎は「一番下の幕引きから始めよ」と言い、一層厳しく当たる。
次の舞台は『仮名手本忠臣蔵』。仲蔵に与えられたのは「弁当幕」と呼ばれる五段目の斧定九郎で、セリフはたった一言の、目立たない役。
それでも仲蔵は、どんな役でも役者の工夫次第でお客は見てくれると必死で考える…。
講談や落語で知られる歌舞伎役者の立志伝を、里美こうた座長が自身の役者人生と重ねて脚色。1幕17場の大作です!
配役
序幕 中村座「忠臣蔵」の稽古中
第2場 志賀山流 仲蔵の実家
第3場 中村座 三代目中村伝九郎の居室
第4場 大川端
「お前との付き合いも16年。実の兄弟以上にお前のことを思っている。お前の取り柄は優しさだ。稽古でも皆のことばかり考えて、お前のそういうところが大好きだ。また必ず戻ってこれる…仲蔵も26、私は42だ」
第5場 志賀山流 仲蔵の家
第6場 中村座
第7場 志賀山流 仲蔵の家
第8場 伝九郎の居室
第10場 中村座の舞台
第11場 中村座の舞台
第12場 「忠臣蔵」の稽古
第12場 座頭の居室
第13場 稽古場
第14場 居酒屋
第15場 居酒屋の裏
第16場 「忠臣蔵」開演前
大詰め 「忠臣蔵」五段目
カンゲキ的見どころ
超贅沢!劇中劇がいっぱい
上演時間3時間の大作。その中に織り交ぜられた劇中劇は、いずれも本番舞台さながらのこしらえで、まるで歌舞伎の名場面ダイジェスト!
四代目座長へのリアルなメッセージ
苦境を乗り越え成長していく役者・中村仲蔵に、四代目座長里美こうた自身を投影した演出。役名には出来るだけメンバーの名前を入れ、劇中のセリフとして、四代目に対する思いを語る趣向になっています。
普段は面と向かって言えないことも、今日は役の姿を借りて語られてゆく…
それぞれの愛情溢れるメッセージに、もらい泣きする人続出でした。
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