舞台裏の匠たち第8回羅い舞座京橋劇場棟梁・岸本健司さん(5/5)
何が出てくる?舞台裏ワンダーランド
羅い舞座京橋劇場の舞台裏は、ぽっかり広いスペースが広がっています。そこには舞台道具たちが、使われる日まで眠っていました。たとえば…
時折、芝居で活躍する鐘、もともとは「植木鉢」!「植木鉢を使おうというのは、絵描きさんのアイディアでした。叩いたらポコポコ音がします(笑)」と岸本さん。
横向きに置かれている大階段。過去に乗った劇団さんが、今後は劇場で使ってくださいと置いていったものです
道具が置かれている櫓。これをいざ使うときは、中に入っている道具を出すのが大変で、40分ほどかけて前日に出しておくのだそう。
突然現れる首にドキッ。
御前、薬、掛け取り帳など小物類はここ。
舞台の隅に複数置いてあるブロック。取材班は当初、(これは何だろう?)と思っていましたが…。
ショーの幕がステージにかからないように固定したり、
柳の根元を支えたり、あらゆる場面で大活躍でした。
「この風船は何ですか?」と岸本さんに聞くと、「数か月前の劇団さんが置いていかれたんです。そしたら、次の劇団さんが『風船があるのなら何かのショーで使おうか』となって。
その次の劇団さんも『風船あるん?じゃあ使おうか』と。全然しぼまないんです(笑)」。しぼむまで、各劇団さんで活躍の場があるかもしれません。
また、舞台裏スペースの使い方は、劇団によって毎月変わります。
岸本さん「衣装をたくさん吊るしておく劇団もあれば、劇団の道具置き場にされるところも。花吹雪さんは、照明機材とショー用の特別ステージを置くために使われています」
取材後記
密着取材をしながら、(あれ、岸本さんを見失った)と思うと、ふ~っと黒い服の姿が現れます。気がつくと、また、ふ~っと移動しています。
リラックスした調子で話しながら、手は次の場面の準備を進めています。そして舞台転換のときの駆け抜ける姿。やっぱり忍者のような仕事ぶりでした。
羅い舞座京橋劇場観劇時には、ぜひ転換のスピードにもご注目ください!