開国したばかりの日本に、アメリカから公使としてやってきたハリス。ハリスは幕府に妾となる女性を要求し、役人は下田の芸者お吉を送り込むこととするが…
実在の人物である齋藤きちのエピソードが、十一谷義三郎によって小説化されたものです。外国人に強い偏見があった時代で、それと関わることにも非難が浴びせられる時代でした。ちなみにアメリカでもお吉とハリスの物語が映画化されています。また史実のハリスはたいへん謹厳な人物で、女性は看護師として必要としていたのですが、当時の日本人にはその概念が理解されなかったようです。